再びスピーカー3システムとなってしまいました。 新たに加わったのは、ご覧になっておわかりのように、マジコA3です。 マジコのスピーカーシステムの中では、比較的廉価ですが、これがけっこう良い音がします。 クラシック音楽用のシステムが、プリがSpectral DMC-30SVはそのままですが、パワーアンプがSpectralの最新 DMA-280に変更になりました。 ラックの後ろの狭っ苦しいスペースに納まっていますが、床の振動を極力受けないように、 BDR The ShelfにMichael Green's Audio Points Brass Conesを使用しています。 それというのも、一昔前、「2ちゃんねる」からの来訪者がアンプやケーブルを持ち込んで、道場破り的な比較試聴をしていて、 最近はだいぶ落ち着いて来ていたのですが、昨年の暮れあたりから再度、増加の一途を辿っているのです。 一番困るのは、仕事をしている真っ最中に電話をかけてきて、「空港に着いたから迎えに来てくれ。云々……」。 来訪理由は私が貸し出したオーディオシステムを、とあるお店で聴いて、ウチの場所を訊いたとか、今度オープンするジャズ喫茶の ことを聞いて来たとか、いろいろです。 確かにそういう話はありますが、まだ未定の部分が多く、決定ではありません。 それにしても、どこでそんな話を聞きつけてきたのでしょうか? 問いただしても、口を濁すばかりで、ハッキリしません。 で、そういう方々の中には、持ってくるだけならまだしも、自分勝手にパワーアンプの電源を切ったり入れたりして、 パワーアンプのAmpzillaのヒューズを飛ばしたり、パワートランジスタを飛ばしたり、電源ケーブルやスピーカーケーブル、 インターコネクトケーブルを引っこ抜いてケーブルを傷めてしまったりと、最近、修理続きで途方に暮れてしまった次第です。 また、猛烈な発振音でスピーカーが飛んでしまいそうになったことも。 さすがにDD66000やSonus Faber Stradivari Homageを飛ばすわけにはいきません。 さらに持ち込んだアンプがあまり音が良くなかった理由を、「スピーカーが大型でダブルウーファーなんて一般的じゃない」とか、 「平べったい変な形状のスピーカーが良い音で鳴るはずがない」とかいろいろ理由を付けて、自分のアンプは世界でもトップクラスの 音だ、とか言い張る方が数名いらっしゃって、閉口してしまいました。 その方々は皆、不思議と自作の真空管アンプ、845プッシュプルだったり、KT120プッシュプルだったりします。 そこで現在、マジコA3を鳴らす真空管アンプと言えば、Tim de Paravicini氏のEARでしょう。 と言うわけで、真空管プリアンプのEAR 864とEL34のプッシュプルパワーアンプEAR 534を置いているのです。 以前使用していた、EAR 861は、と言うと、出力段の 真空管、EL309がヨシノトレーディングにも無くなったため、メンテナンスが出来ない状況となってしまい、その代わりがこのEAR 534なのです。 サウンド的にはEAR 534の方が少し低域側にシフトして、 野太い印象。 しかし基本的にはTim de Paravicini氏のEARサウンドを受け継いでいて、濃厚でありながら みずみずしい中高域、しなやかで懐の深い低域が見事です。 ちなみに現在、Tim de Paravicini氏は300Bのパワーアンプを試作しているとの情報がありました。 また、ヨシノトレーディングは、Tim de Paravicini氏の奥さまの郷里に一緒に住まわれている ようで、ヨシノトレーディングの本社は、拙宅から車で2時間ほどの、福岡県朝倉市秋月今小路307に移転しています。 さて、SPケーブルは EINSTEIN GREENLINE vivoce2mに、aetの金メッキしたバナナプラグを取り付け、 オルトフォン8N 6mと比較試聴中です。 なんとこれらの端末加工も依頼され、仕方なく、aetのとっておきの金メッキされたバナナプラグを使用する羽目に。 「条件を同じにしてくれなければ、比較にならない」と言うのはわかりますし、EAR 534がYラグが使いづらいターミナルとなっているのでバナナ プラグに変更しなければならないのは仕方がないかも知れませんが、取り付けたバナナプラグは、そのまま持ち帰るご意向の様です。(笑) サウンド的には、 EINSTEIN GREENLINE vivoce2mは、少しゴムっぽい弾力のある低域ですが、逞しく量感のあるサウンドです。 一方、 オルトフォン8N 6mは、懐の深い伸びやかな低域で、一般に言われているような、高域が伸びないようなことはなく、 聴感上はピークがなくフラットに伸びているように思います。 aet Evolution1302は、おそらくこのクラスとしては、コストパフォーマンスは最高レベルでしょう。 製品版で2.5mモノだと3万円程度の様です。 「S」と「F」の2種類タイプがあり、「EVO-1302S」は力強く、ハイスピードなサウンド、「EVO-1302F」はぶ厚く、 温度感溢れるサウンドとのことです。 実際には自分のシステムに繋いで聴いてみないとわからないかと思いますが、個人的には「F」の力強い厚みのあるあるサウンドが好みですが、 これは人それぞれかと思います。 ちなみにSpectralの DMA-280のターミナルは、バナナが 使えないため、Yラグ指定です。 そのため、 aetの新型スピーカーケーブルはYラグで製作してもらうことになりました。 このケーブルはまだ試作段階とのことですが、販売するとなると定価ではベンツのEクラスが購入出来るほどだとか。 試作品と言うことで、安くして貰うつもりですが、値段によっては、お返ししなければならないかも知れません。(^^; このケーブル、ポイントはスピーカー側の ケーブル内部に埋め込まれた素子です。 少しプックリ膨れた部分があるのがおわかりになるかと思います。 これがどういう物なのかは企業秘密のようですが、これを応用した 電源タップのテスト品が5月1日に届いて、現在、試聴中です。 キャメロットのタップをaetで改造したもので、商品化する前段階の様です。 画像、右がオリジナルで、左が改造品。重量がオリジナルが1,260g、改造後は1,350g。 内部の配線も大幅に入れ替えている様です。 内部撮影は、製品化前の段階ですし、企業秘密的な部分もあるでしょうから、控えさせていただきました。 aetの新型スピーカーケーブルのサウンドは、実に透明感のある中高域で空間描写に優れ、低域はだぶつく ことなく、少し細身ながらキレの良いサウンドが特徴。 一方、電源タップは、元々のキャメロットの電源タップの性格もあるのでしょうが、 野太く、低域が良く出る芯のあるサウンド。 通常、電源タップを間に挟むと、鮮度が落ちて音が悪くなる筈なのですが、この電源タップは、まだエージングの途中ですが、 それでも鮮度が上がって、腰の据わった中低域が支える安定感のあるサウンドになったのには驚きでした。 |