2001年から2003年にかけては我がオーディオシステムは激動の時を迎えました。
職場の2階にオートグラフが納まり、岩手県一関市から、オーディオ評論家是枝氏の手による
300Bプッシュプルアンプが戻って参りまして、マランツ#5との激しいバトルと相成りました。
この300Bプッシュプルアンプ、私が注文したのですが、我が家よりも先に一関市のROYCEというジャズ
喫茶で鳴らしてもらい、なかなか好評でした。
戻ってきた300Bプッシュプルアンプを聴いて、なるほどと合点。
確かにマランツ#5はまるでサラブレッドの如く、ぐいぐい引っ張っていく力は見事という他
ありません。マランツ#1との組み合わせは、おそらく理想的と言って良いくらいです。
しかし、我が家のオートグラフ・ミレニアムは、オリジナルとは違い、ユニットも最新で、
しかもLINNのCD12という、最新のCDプレーヤーを導入しており、その最新のデジタル録音を
楽しむためには、やはりアンプも時代に合わせて最新のものを使用する方が、バランスが良い
ようです。
一時はコニサー4.0でマランツ#5を鳴らして、少しワイドレンジになって気に入っていましたが、
伸びやかで緻密、陰影表現が見事な是枝300Bプッシュプルアンプを聴いてしまうと、あのマランツ#5
の音がなんと古くさく聴こえてしまうのです。
レプリカ#9よりもオリジナル#8、オリジナル#8よりもオリジナル#5の方が聴感上も伸びやかで、
特に低域の寸詰まり感がなく、気に入っていただけに、これには正直、驚かされました。
マランツ#1と是枝300Bプッシュプルアンプの組み合わせでは、高域のみずみずしさは抜群でしたが、
低域方向がやや緩みがちになり、それを引き締める意味で、コニサー4.0をしばらく使用して、それで
落ち着いたかに見えました。
しかし聴き込んでいくと、コニサー4.0は音像が大きめになり、ただでさえ大きめなオートグラフでは
巨大化してしまいます。さらに、S/Nが高能率スピーカーを前提としていないため(スキャンテック談)
なんとマランツ#1より劣ることが発覚。
しかしある程度のボリュームで聴いている分には問題なかったので、しばらくプリアンプはコニサーの
ままでした。
そんな折に出たのが、LINNのKlimax Kontrol。CD12と似たようなデザインで、ひょっとしたらこの
プリアンプ、音的にもCD12の延長線上にあるのではないかと思い、MAXオーディオに頼んで、自宅で
試聴することになりました。
これがまったくもって予想に違わぬ、CD12の延長線上に位置する、見事な出来映え。
コニサー4.0よりもS/Nが良く、音像が肥大化せず、キュッとしまった感じで、それでいて低域の伸び
やかさも一枚上手を行きます。
同時に試聴したアンプジラ2000はスピーカードライブ能力とスピード感が見事で、JAZZのドラムスには
非常に相性が良かったのですが、女性ボーカルでは是枝300Bの色香には敵いません。
アンプジラはどこか乾いた感じがします。特にクラシックの教会音楽では、これが裏目に出てしまいました。
というわけで、我が家にはLINNのCD12に加えて、Klimax Kontrolも居着いてしまうことになりました。
世の中にLINNの製品を自分のシステムのどこかに入れると、だんだんLINNの製品が浸透して来て、
いつの間にかLINNの製品ばかりになってしまうという、LINN病なるものがまことしやかに言われていましたが、
何のことはない、我が家もCD12でバランスをとっているせいか、アナログもEMT927ではいかんせん、比較的
録音の新しいものがバランス的に合わなくなってしまいました。
そこで、ついにLP12を入れることになりました。
これがまた、CD12と似通ったサウンドというか何というか、まぁ、CD12がLP12のサウンド傾向を追随して
いるわけなんですが、カートリッジが光悦の翡翠を使用し、ケーブル類を調整すると、デジタルもアナログも
違和感なく聴けるシステムと相成りました。
と言うわけで、以下、ラインナップをお示しいたします。
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