■ BOSE・111TR/101MM ■

ボーズは1964年MIT(マサチューセッツ工科大学)の電子工学教授、アマー・G・ボーズ博士により、 ボストンのMIT内に設立される。当初はNASAや米軍関連の研究開発を担当。1967年フラッグシップ・モデルの「901」 スピーカーシステム発表。
1976年「301」コンシューマー用スピーカー発売。1980年「101MM」発売。1985年「111AD」発売。

ボーズ博士の音響理論:下記はいずれも米国特許
1)ダイレクト・リフレクティング理論
 良い音には3つの要素がある。  一つは全周波数のエネルギーバランス(スペクトラル)、二つ目にはどの方向からどれだけのエネルギーが 来るかの空間的アスペクト(スペイシャル)、三つ目は音源から出た音のエネルギーがリスナーに届くまで の時間(テンポラル)。これら三つの要素がどこまで再現できるかがポイント。
 スピーカーからの音を拡散させて間接音成分を増やし、直接音と間接音を調整して混合することで自然なエネルギーバランスと方向性を作り出すことによって、自然な音色と立体感を作り出すという理論。
2)ステレオ・エブリウェア理論
 最初に到達する音よりも後から到達する音を大きくしてマスキングさせると、正しいステレオイメージを広範囲な聴取位置で得られるようになるという理論。そのため、スピーカーユニットに特定の角度を付けて音響エネルギーと方向性をコントロールしている。

3)アクースティマス方式
 共振と共鳴を利用し、低歪みでダイナミックレンジの広い音を小型エンクロージャーで作り出そうという理論。構造上、方向性を感じさせる高域輻射が少なく、設置位置を選ばない特徴がある。

4)アコースティック・ウェイブ・ガイド方式
 長大なチューブの内部に低域ユニットを取り付け、その前後両面に放射されるエネルギーを利用して共振点の異なる二本のチューブの空気を共振させ、3オクターブにも至る広い帯域の重低音再生を可能とする方式。

とまぁ、理論はこの位にして、その音ですが、確かにこれだけ小型でありながら、「らしく」聴かせるワザは大したもの。
特に天井スピーカーで、これだけ音が素晴らしいのはBOSEの111TRシリーズをおいて他にないでしょう。確かに細かいこと を言えば、低域に芯がなく、少しモッコリしていて、分厚いベースの響きが再現できにくい、などと言えなくもないのです が、フォステクスやコーラルなどの国産のスピーカーユニット、TOAのユニットなどを聴き較べても、ソースをこれだけ 生き生きと鮮やかに、しかも聴き疲れしない音に仕上げるのは、神業です。
   111TRは、他の同じサイズのBOSEのスピーカーも含めて、このクラスでは一番低域が出ます。そういう理由で愛用しています。

また、101MMシリーズは、これまた11.5cmのユニットを使用した、232×154×152cm/2.2kgの小型軽量スピーカーにも かかわらず、壁だろうが天井だろうが、スタンドだろうが設置場所を選ばない、音も設置場所で極端には変わらない、 素晴らしいスピーカーです。ロングランである理由、わかるような気がします。 ミュージシャンの中には、常にこのスピーカーで演奏をモニターしながら、プレイする方がいます。プロにも信頼されている 証拠でしょうか?


普通、ステレオならばこんな具合に天井に111TRが埋め込まれています。
一般的にはPA&BGMとして使用することが多いので、ハイインピーダンスタイプを使用する ことになり、ステレオイメージがちゃんと出る様な使用はしないことが多いようです。

111TRのアップです。BOSEのロゴが見えます。

111TRのユニットカバーを外したところです。

さらにユニットまで外すと、こんな感じになっています。
極めてシンプル!

他にテレビの上、つまり入口のドア側には101MM-Wを使用。

BOSEの専用アンプです。
下が4702-3で、4チャンネル、マイクロフォン呼び出し付き、 呼び出し時はBGMの音量が下がる様になっています。
上の平べったいのが1200 VIで、これも4チャンネルアンプです。 下の4702-3と一緒に使うことで、8チャンネル分のスピーカーを駆動できます。

Last update Jun.3.2001