■ FURUTECH High End Performance FUSE ■

 フルテックの製品は、実は、あまり良い印象がありません。
 それというのも、評判の良い電源コンセント(Receptacle)を購入して使用したものの、低域が寸詰まりで、 高域に独特のクセがあり、それが結局は抜けず、国内で入手困難なWATTGATE model381を海外から取り寄せた ことがあったからです。
 今回、ヒューズを試す段になって、オーディオ用を調べたものの、中国製ISOCLEAN POWERとこのフルテック のものくらいしか流通しておらず、特注品は無いことは無いのですが、万一、ヒューズが飛んで換えを探し た時、同じモノがないと、困ってしまうので、当初は「仕方なく」フルテックのオーディオ用ヒューズを購入 したのです。

 ところがこれは、嬉しい誤算でした。
 比較のためにISOCLEANのヒューズの音の傾向をまず申しあげますが、低域、高域ともに伸びていて、 これはこれで良いのですが、ドンシャリ気味で、もう少し締まりのある音が欲しい。
 それをほぼ満点に近いレベルで実現してくれたのが、FURUTECH High End Performance FUSEです。
 鳴らし始めの当初は低域が出すぎで、高域がキンキンうるさく、ガッカリさせられました。
 フルテックだから、ま、こんなものか、低域が出ている分、まだクライオ処理したヒューズより、まだ マシだな。なんて思って、そのまま半日、音量を絞って放置していました。
 夕方、音量を上げてみて、ちょっと焦りました。今までに耳にしたことがない、伸びやかで、それでいて ダブつかない低域。鮮烈な中に、透明感と、アタックの確かさのある高域。
 急いで、朝、聴いた曲を再度鳴らしてみて納得。エージングが進んで、音が進化したのです。
 これは、いけるかも知れない。
 そう思って、100時間鳴らし続け、思わずガッツポーズが出てしまいました。
 軽く引き締まった低音はそのように、底を這う低音は底を這うように、余韻が美しい高域は余韻が美しく、 シンバルのアタックは鋭く、芯があって地に足が着いた音の放散。
 今まで苦労していた部分の大半が、同じ電源周りのAET Audio Receptacle PSE-281HRを併せて導入する ことにより、ほぼ、解決してしまったのです。

 あれだけ、散々「部屋のせいだから、家を建て替えろ」云々言っていた友人が、「だから、電源周りが 大切だと言っただろうが」と、悔し紛れに以前、私が言っていた言葉を返してきたのには、笑ってしまいました。  ま、それくらい、電源周りというのは大切なんだということを、改めて実感した次第です。
 以前のフルテックの音の傾向と違うのは、おそらくドイツのPADIS社との共同開発が功を奏したのでしょう。
 しかもキャップ部は銅合金にダイレクト・ロジウムメッキ処理を施したセラミック管タイプとのこと。
 ロジウムメッキはAETの電源コンセントもそうですから、音のベクトルが似ているのかも知れません。
 導体は低誘導性銅合金を採用し磁性体素材は使用していないとか。さらにα-Process 処理(超低温処理&特殊電磁界処理)を 行っており、クライオ処理の一つ上を行く処理が行われているものと思われます。
販売時状態


こんなケースに入っています。
AET PSE-281HR正面


中が見えないので、ヒューズが飛んだ思われる時には、ヒューズボックスを開けて取り出し、テスターで導通テストする必要があります。

Last update Apr.14.2012