リンの創立者のアイバー・ティーフェンブルン氏は1972年、父親が経営するグラスゴーの精密機械部品製作所の一角で
ターンテーブルシステム、LP12の製造を始めた。33回転のみのシングルスピードですが、音の良さで評判となりました。
かのジャズ喫茶の雄、岩手県一関市のベイシー御用達のアナログプレーヤーとしても有名です。 リンの製品を使い始めると、だんだんシステムがリンの色に染まりだして、気付くと、CDプレーヤーからスピーカーまで、 すべてリンの製品になっていると言われるほど、支配力&浸透力の強い音を持っています。 しかし私は、どうも「英国の田舎の音」の様な気がしてならなかったので、忌避していました。 そんな時に出たのが、CD12。LP12の向こうを張るだけある、久々の素晴らしい音でした。 まず私はソナス・ファーベルのアマトールを鳴らすためのサブシステム(アンプはEAR V20)にIKEMIを導入。アマトールの 小柄ながらポッチャリした鳴り方に実に合った、しなやかで解像力もあり、美しい鳴りっぷりに魅了されたのですが、CD12は 緊張感が強くて芯のあるサウンドであったため、メインシステムなら導入することも考えられたのですが、見送ることにしま した。 たまたま、2000年3月末、ジャズ喫茶メグのオーナーである寺島先生宅にお邪魔した時、導入を検討中で試聴の真っ最中だっ たのが、CD12。 さすがは寺島先生。CD12の魅力を全面的に引き出し、一聴、その解像力の素晴らしさと、色数の多さに驚き、「七色のシン バル」を見せつけられ、頭の中から離れなかったのです。 今回、タンノイのオートグラフがミレニアムモデルとして限定発売されましたが、その際、白羽の矢を立てたのがCD12。 ミレニアムモデルは、オリジナル・オートグラフと違い、低域のこもり感は少なく、高解像度が特徴。CD12で聴くオーケス トラの奥行きと、ビシッとステージに演奏者が並ぶ様は、圧巻です。 CD 12は1997年10月にプロトタイプが完成。1998年2月、世界に先駆けて日本で発売した製品です。 70ミクロンの超硬質アルマイト処理を行った筐体に、出力はRCA2系統、XLR 1番ホッとが1、BNC,XLR(AES/EBU)、STLINK、 TOSLINKなどを備え、アナログプレーヤーのSondek LP12の向こうを張って、Sondek CD12という名称となっています。 「BRILLIANT POWER SUPPLY TYPEU25 WSL」と名付けられた電源部も素晴らしく、アナログ回路用+-18Vと、デジタル回路用+-8Vという具合に、アナログとデジタルを分けているのが特徴。また、一次側AC電源を高圧のDCとして変換し、50-60KHzの超高速スイッチでACに変換。小型トランスで減圧、小型コンデンサにより平滑しています。 内部の様子などに関しては、こちらが詳しく 載っています。 |
アルミの削り出しの筐体は、本当に重くてビックリ! |
トレイが出てきたところ。 |
底面。インシュレーターを換えて音質コントロールをする方がいらっしゃるそうです。 |
裏面。RS232-Cの端子があるのにはビックリ。RCA端子は2系統出力があります。 |