'99年3月までのオーディオシステム

メインシステムのタンノイG.R.F.Memoryです。
この頃、ジャズのディスクをかけることが多くなりました。
ちなみにスピーカーの間にあるのは、Marantz model5です。
これについては後ほど詳細をご報告いたします。



 こうなっては程度の良いオリジナル#7を探すしかないと思い立ち、ステレオサウンドやMJなど、つぶさに目を通していましたところ、たまたま埼玉にMarantz Model 1(#1)を置いてあるお店があり、知る人ぞ知る#7を超える幻のプリアンプ! と驚き、即座に電話してしまいました(^^;
 Model 1の音は、#7よりもさらにシャープでみずみずしく、独特の繊細さがある高域で、切れ味も素晴らしいものでした。
 4月はじめに我が家にやって来て、今ではレプリカ#7を駆逐して、我が家の「顔」となっています。
 写真ではモノラル仕様のため、2段目&3段目に同じものが並んでいます。



 また、1998年2月21日、倉敷市にあるヴィンテージ・オーディオショップで、かねてから目を付けていたEMT927Fを試聴。
早速、いただくことに致しました。
 これには数々の偶然が重なったのも幸運でした。
 たまたま岡山で友人の結婚式があり、現物を見に行けたことは勿論ですが、これもニフティーのFCLASの中のオーディオ会議室の方が私がEMT930にしようかどうか悩んでいるのを見かねてメールを下さったこと、FAVのメンバーがこのお店の四国にある本店で程度の非常に良いパラゴンを買ったことも無関係ではありません。
 この大型アナログプレーヤー我が家にやって来たのは3月8日。
 引っ越しのため、開封せずにそのまま山梨まで持っていき、4月2日に久々の対面。
 ようやく音が出せたのが、ゴールデンウィークという有様。
 セッティングやStepup trans.の選択、ケーブル選びなど、まだまだのため、EMTとSPU・A/Eの組み合わせの持つ、本来のちょっと硬質で透明感あふれるサウンドには、ほど遠い状態です。
 しかし、先日ベースにBDR The Shelfを敷き、Audiopointのインシュレーターを使い、トライアッドのHS-1というStepup Trans.を繋ぐと、かなり良い線まで改善されました。



 1998年3月末、またまた山梨へ転勤となり、引っ越しを敢行。
 さすがにG.R.F.Memoryはワンボックスカーに載せて、というわけにはゆかず、梱包材とっておいたので、引っ越し屋さんに任せました。
 さて、山梨へ着いた途端、朗報がもう一つ舞い込んできました。
 4月中頃のことですが、EARのV20が入荷したとこと。
 以前、ダイナミックオーディオ・サウンドハウスで試聴し、好感を持っていたので、さっそくこれも自宅試聴することになりました。
 その日、たまたま山梨県須玉町のカンタベリー15使いの友人宅へお邪魔することになっていて、そのまま持ち込み、試聴してみました。
 一聴して、伸びやかな低域と高域、独特の色気と艶、そしてプレゼンスの見事さに引き込まれてしまいました。
 回路に詳しい友人達は、片チャンネルに10本も12AX7を使って、しかも元々、出力管でない真空管をこのように使うこと自体、無理があり、良い音になるはずは無い、と言うことなのですが、あの音を聴いてしまっては、そんな言葉も空虚に聞こえてしまいます。
 傾向としては、ウエスギアンプのコクの深さと懐の深さに共通するものを持ちながら、より鮮烈にみずみずしく、もう少し芯があって張り出しも素敵なアンプに仕上がっています。もっともそれも、JPSのインターコネクトケーブル(Superconductor)に、電源ケーブルは俗に言う青蛇(Aural Symphonics ML-Cubed Gen2i)の協力があってのことですが…。
 このサウンドを一言で喩えるなら、「デカダンス」でしょう。
 かつての名女優デートリッヒの、ちょっとけだるくタバコをくゆらす姿が浮かんでくる様です。
 制作者パラピービッチーニ氏は、きっとこの「デカダンス」がわかるアンプ制作者ではないでしょうか?
しかし、次に挙げる機種とのバトル末、さすがのEARのV20も、こと、タンノイのG.R.F.Memoryを駆動することにかけては、ハーベースのK6のようにはいかないことを実感しました。



 その、V20をぶっちぎりで破ったのは、Model 1のプリに、オリジナルのマランツ#5という組み合わせ。
 今までどうしても鳴らし切ることが出来なかったG.R.F.Memoryを非常に機敏に、レスポンス良くクラシック音楽はもちろん、ジャズ、ポピュラーなどに至るまで、タンノイのスピーカーとか、古い真空管アンプだとかを気にしないで楽しめるサウンドになったのです。特にマランツのModel 1と#5の組み合わせでは、けっこうシャープに高域が出ているのに、決して刺激音にはならず、独特のみずみずしい色気があって、とても気に入っています。女優さんで喩えるなら、さしずめキュートで気品があり、打てば響く知的な印象の「オードリー・ヘップバーン」ってところでしょうか。



 で、そうなると気になるのがマッキントッシュ。
 マランツがオードリー・ヘップバーンならマッキンは「マリリン・モンロー」?
 その中でもちょっと小振りで爽やかさもある6L6GCを使ったMC240が甲府の「スイング・オーディオ」にあるのを発見!
 さっそく試聴してみることになりました。
 マランツのModel 1と組み合わせて鳴らすMC240はコクと色気がなかなかなのですが、残念ながら、マランツ#5で鳴らしたサウンドと聴き較べると、質感の正確さ、スピード感については劣るように思いました。
 こうなると虫が騒ぐもので、かつて銘機とうたわれた「QUAD II & 22」ではどうなのかと興味がわいてきます。
 そこでQUAD II & 22も試すことになりました。
 大変シャープでスピード感があり、本当に見事なのですが、さすがに時代が時代だけに、レンジが狭く、高域にちょっと強調されたメリハリのようなものが感じられ、室内楽や声楽などではそれほど目立たないものの、オーケストラ曲などになると、マランツ#5&#1に較べると解像度不足も耳に付いてしまいます。
 それならば、同じマランツのオリジナル#7&#8の組み合わせではどうかという興味もわいてきます。
 さすがに#9のオリジナルは高価すぎて手に入りませんが、#8なら20万円前後で入手可能。それにパラレル・プッシュプルでなく、基本的なプッシュプルの方が音が良いと言う方もいらっしゃるくらいで、#8には根強いファンがいるのも事実。それに、1998年9月に大阪は豊中で聴いた#8bの印象が非常に素晴らしかったので、マランツ#5&#1が故障した時の予備という意味からも、オリジナル#7&#8(bタイプでなく、純粋に#8)を思い切って購入することにしました。
 この#7&#8は、さすがは同じマランツだけあって、質感を正確に出そうとする傾向は似通ったものがありますが、力強さやキレの鋭さには軍配があがるものの、#1が聴かせてくれたキュートでみずみずしい、おもわず抱きしめたくなるようなサウンドにはならないようで、好きずきもありましょうが、私はやはり、マランツ#5&#1の方が好きです。
 面白いことに#5の代わりに#8を使用すると、けっこう似通ったサウンドになるようで、#1の支配力の大きさに、改めて感服した次第です。
 さて、パワーアンプにMarantz No.5を使う様になって、それまで使っていたJPSのスピーカーケーブル、Superconductorが使えなくなり、仕方なくモンスターケーブルのM1.4をバイワイヤリングとして使っていましたが、たまたま1999.2.13、秋葉原のガード下にある平方電気に寄った所、昔のマッキントッシュに使っていたYラグが置いてあり、よく見るとケーブルを通して圧着する部分を広げることが出来ることがわかって、ラジオペンチで少しだけ穴の部分を広げてやったところ、都合の良いことにそれまで使っていたJPSのスピーカーケーブルのアンプ側のWBTのバナナプラグが入るようになり、お気に入りだったJPSのスピーカーケーブルを再び使えるようになったのです!

 モンスターケーブルも悪くはないのですが、JPSはシャープで質感の表現が的確、しかもシンバルの音が細くならず、厚みをもってバシバシ鳴ってくれます。しかも美しく見晴らしの良い音場も見事。
 やはりJPSのケーブルは我が家のシステムには無くてはならないケーブルとなってしまった様です。


Last update Jul.1.1999