■ オーディオ隔離病棟 ■
〜 電線病病棟:スピーカー・ケーブル 〜
オーディオの世界で、ここに足を踏み入れたが最後、泥沼にはまってしまって、大変なことになるのがケーブル(電線)の世界です。
スピーカーやアンプにお金をつぎ込むのは、目にも見えるし、音質的な変化も大きく、変えただけの価値、あるいは見返りが
あるものです。
一方、「ケーブルでは音の本質は変わらない」とおっしゃる方も居るように、確かにアンプやスピーカーを換えるようには
劇的には変わらないのですが、「あともう一歩欲しい」という時には、本当に拝みたくなる程の効果があったりします。
この「電線病」が高じると電源コンセントや屋内配線、さらには配電盤、果てにはジャズ喫茶メグのオーナー寺島靖国先生のように敷地内に
電柱を建てて、個人用柱上トランスを取り付けることになってしまい、オーディオの奥深さと己の業の深さを実感することでありましょう。
文中に「アメリカで買うと」とあるものは「オーディオ関連リンク集」のオーディオショップ編にも出ている、
その名も「Cable Company」という
ショップで購入した場合を主に示しています。価格は日々変動している上に、ドル・円レートも刻々と変わりますので、多少異なる場合が
あります。
久々のupは、AET EVOLUTION 1304H AC/SP!
昨日、製作して鳴らし始めたのですが、ちょっと感動モノでしたので、早速up致しました!
一番下の方になりますが、どうぞご覧下さい。
トライ・アソシエイツ
今は亡き、国内メーカーです。いくつか種類を出していて、「マーキュリー」はアースが別ラインで落とせる構造になっています。
静寂が美しいスピーカーケーブルの最右翼。音場の表現も見事で、キュートでみずみずしいサウンドが特徴です。
(1)トライアソシエイツ・スピーカーケーブル「マーキュリー」 2m 1組(定価 \60,000)
(2)トライアソシエイツ・スピーカーケーブル「エレクトラ」 4m 1組(定価 \46,000)
主に初期の、タンノイのスターリング時代に使用していました。
2013年現在、ゾノ・トーンにそのノウハウは生かされています。外皮のデザインも同じだったりします。
JPS Labs Superconductor
インターコネクトケーブルと同じ線材を使っているだけあって、同じ傾向の音がします。音に芯が欲しい時などに重宝します。
意外にも高域が暴れず、重心の下がったしっかりしたサウンドになるので、私の知人の中ではジャズファンが愛用していますが、
芯のあるしっかりした低域は、タンノイなどのスピーカーで低域が締まりがなくて困っている場合には最適で、クラシック音楽を聴く上でも重宝しています。
写真は左側がバイワイヤリング対応の、アメリカのJPS社から直接取り寄せたものです。10万円くらいします。
右側が最新のSuperconductor 2タイプのスピーカーケーブルです。芯線がさらに太く、Superconductorよりも明瞭で低域、高域ともに伸びやかです。
Belden STUDIO 497
最近、モデルチェンジして若干太くなりましたが、おなじみ黒・橙二色が捩ってあるケーブルです。
ヴィンテージ・オーディオをやる方には必須アイテムとも言える代表的ケーブルで、使い始めは高域にひとクセあるものの、使っている内に
重心が下がって、芯のある力強いサウンドを聴かせてくれます。\700/mと安価なのも嬉しいですね。
JPS SUPER BLUE 2
JPSの切り売りケーブルです。1m10ドルで手に入ります。
国内販売はされていません。
例によって、「Cable Company」に注文し、取り寄せたシロモノです。
同社のSuperconductorシリーズほど芯の強さはありませんが、一本筋の入った鳴りっぷりは、相通じるものがあります。バランスの良さも見事で、
切り売りでこれくらい素晴らしいケーブルは、なかなかありません。1,000円/mと、お値段も比較的お手頃。
北九州市小倉南区の「医療法人きむらクリニック」
では、開院前、2001年1月にまとめて200m購入して屋内配線に使用しています。
12G(AWG)相当の太さですから、スピーカーやアンプの端子に直接つなぐことも出来て、鮮度の高い音を楽しむことが出来ます。
試しにWBTのYラグを使ってみましたが、やはり少し音の透明度と鮮度が落ちます。
しかし、バナナプラグほどではないように思います。シルバー・タイプは銀の良さである、高域の伸びやかさを堪能でき
ますし、Yラグはターミナルとしっかり接触面積が取れるものだったら、それなりに使えると思います。
外皮を取り除いて中身の赤と黒のケーブルだけだと、少し高域が暴れます。鮮度と言うか、クリアさもやや落ちる気がします。
でも、本質的には変わりません。取り回し易さを考えると、これでも良いか、と思ったくらいです。
Resolutin Reference Speaker Wire
「Cable Company」お奨めのスピーカーケーブルです。
高域がみずみずしく、音に厚みが出ます。線が細くならず、決して暴れない高域は素晴らしいものがあります。
これでローエンドがAETのSINくらいに伸びやかに出ると文句ないのですけどねぇ。
シナジースティック・リサーチのケーブルについては、
「電源&アクセサリー大全2006」等を出している、音元出版の
「世界のケーブル大百科」の中の
SYNERGISTIC RESEARCH編に詳しく載っています。
WE-AIW 14GA SP cable
JPSの赤黒ケーブルを見ていて、ふと、PRO CABLEのWebにWE(Western Electric)社の
同じような赤黒スピーカーケーブルがあったな、と思い出し、A.I.W社による復刻版の14Gモノを注文してみました。
Webには6〜8mの長さで接続するのに最適な太さ、とありますが、テストなので、2mと長さ的には短くなっています。
お値段は1,900/mと、少々高め。でも、WEを扱うヴィンテージショップでは、3,000円を超える値段で売っていたりします。
そしてこの音!
未だにWE(Western Electric)社を信奉する方々がいらっしゃる理由、わかる気がします。
JPSでも楽しい音だったのですが、こちらはさらに芯のある、メリハリの効いた音です。逆に言うと、JPSの方が少し高分解能で、
音を解きほぐして聴かせていたのかも知れません
ジャズには本当に良いかと思いますが、拙宅ではJBLのスピーカーターミナルの付け替えは面倒なので、ソナスファベールの
ストラディヴァリで試してみました。
すると、ちょっときつめの音で、分解能が現在使用しているAET Evidenceと比べると劣るので、クラシック音楽用の
高解像度スピーカー向きではないと思います。でも、楽器の質感がかなり正確に描き出され、芯のある音は、さすが、です。
WE-AIW 10GA SP cable
一度、WEのケーブルで味をしめると、さて、オリジナルの太いタイプはどうだろうか、と気になります。
そこで、PRO CABLEのWebで一番太いWE 10Gモノ、取り寄せてみることにしました。
お値段は2,100/mと、昨今のスーパーケーブルから比べたら、数十分の1、です。
これはWebによると13〜16m用とのことですが、テスト用なので、2mで使用しています。
その音ですが、聴いた瞬間、「マッチョだぁ!」と、笑ってしまいました。
音像は14GAに比べて少し大きめ。すべての帯域に渡って芯のある音がします。
さらに低域の力強さは、半端じゃないです。14GAでは低域はこの半分くらいの印象でした。
聴感上は低域の出過ぎなのでしょうが、小型スピーカーを使用しているので、どうしても低域不足が否めず、それを
補う意味でも、この太いタイプのスピーカーケーブルは、「トーンコントロール無しでケーブルだけで低域の量感、力感アップ」を
図ることが出来る、魔法のケーブルと言って良いかも知れません。
でも、本来の使用方法ではなさそうで、ケーブルを長く伸ばした時、低域のエネルギー感が失われていくのを考慮して、
スピーカーケーブルとして10m超える長さを引き回す時に最適にチューニングされているのかも知れません。
ちなみに、10GAのこのケーブル、ぎりぎりReveal 601pのスピーカーターミナルの真ん中の穴を通すことが出来ます。
ただ、少し曲がっていたり、撚れていたり、線がはみ出ていたりすると、駄目です。そういう場合は、再度、ケーブル・ストリッパー
等を使用して、真っすぐ、綺麗に外皮を剥いてやり直してやると、きちんと収まります。
BELDEN8477 12GA SP cable
安くて音の良さそうなスピーカーケーブルと言えば、PRO CABLEで入手可能なベルデンが思い浮かび、
12GAモノ8477を取り寄せてみました。700円/mと、かなり安価です。
そしてこの音、どこかで聴いたことがあるな、と考えを巡らせ、思い当たりました。
そう、ベルデンの3芯のインターコネクトケーブル BELDEN8423 の
みずみずしく、色彩感豊かで、空間分解能に優れ、楽器の立ち位置、前後感まで手に取るような音。あの音に似通っているのです。
さらに音にスピード感があり、透明感もあって、WE-AIW製10GAのSP cableのように、力業で低域をぶん回すような鳴らせ方はしません。
ただ、それを「低域が軽い」「重量感がない」「高域の芯が乏しい」と感じる方がいるかも知れません。
ジャズのシンバルが派手に鳴ってくれるという意味では、WE-AIW製10GA SP cableに一歩譲りますが、クラシック音楽にはこちらの方が
相性が良いかと思います。それでいて、スピード感、色彩感があるので、個人的にはジャズもけっこう気に入っています。
それからもう一つ、注意しないといけないのは、鳴らし始めは低域が出ないし、出てもモッコリ、切れの悪い、寸詰まりの音です。
AETのEvidenceもそうですが、1日目はひどい音でガッカリさせられます。ここは我慢のしどころで、「100時間鳴らしてから評価しよう」
とのんびり構えるくらいにしておかないと、エージングが進んできて音に色彩感が出始めていることに気づかず、ブチ切れてゴミ箱に放り
込まないとも限りません。それくらい、鳴らし始めは、ひどい音です。(笑)
欲を言えば、もう少しローエンドが伸びている感じが欲しい。WE-AIW製10GA SP cableで聴かせてくれたあの低域が耳から離れない
せいかも知れません。でも高域のみずみずしさ、分解能は、圧倒的にBELDEN8477。悩ましいところです。
AET SIN SP
国産でも最近は、けっこう良いケーブルが出てきました。その中でもお気に入りなのが、AET。
ワイドレンジで解像度が良く、眼前に綺麗に広がるステージ・イメージが抜群です。通常はシールドはアースに落とさないのですが、
私は特別にシールドをアンプ側でアースに落とすよう、特注してもらいました。
低域の伸びやかさが素晴らしく、それでいてモッコリしたり、ダレたりしないのは見事です。
逸品館で切り売りSIN(4,950円/10cm)があったので、取り寄せてみました。
ティアックのNP-H750を、スピーカーがタンノイのReveal 601pを使用してのテスト試聴だったため、
スピーカー側はYラグでOKなのですが、アンプ側がYラグ非対応のターミナルで、バナナプラグでの接続となりました。
いつも思うのですが、ケーブルの試聴ほど神経を使うものはありません。
だいたい、3〜4日しないと、最終的な話が出来ないほど、刻々と音が変化していきます。
特にYラグやバナナなど、接続部を取り付けたものは、音がストレートに変化していきません。
低域が良く出るのは相変わらずで、ピラミッド構造のどっしりと安定した低域の上に中高域が乗っかり、
Reveal 601pが、まるで10インチ口径のスピーカーのようなローエンドを聴かせてくれます。
ただ、ジャズを鳴らすにはローエンドがやや出過ぎて、中低域のスピード感が
AET HHL EVDほど出ていなくて、しかし伸びやかさは抜群なので、
このケーブルはクラシック音楽に相性が良いかと思います。
AET HHL EVD WBT0645Cu-WBT0681Ag
本来は切り売り出来ないケーブルですが、AETのHHL EVD(5.5スケア 2芯平行構造)を
エスアイエスに無理言って4mだけ取り寄せ、
WBTのバナナプラグ0645CuとYラグ0681Agで作って音を聴いてびっくり。これ、けっこう、いけます。
HHLよりも2つくらい格上のSINは低域寄りでしたが、こちらは高域寄りのワイドレンジで、SINよりは軽めですが、それでも十分に低域が出ていて、
スピード感もあり、やや高域が繊細気味かも知れませんが、聴いていてとても心地良い音です。
エージング時の音の変化が大きいのには驚きましたが、これは銀を使用したYラグ、バナナプラグのせいもあるかも知れません。
キメの細かさ、軽やかでいながら、芯のある音は秀逸で、WE(Western Electric)社10G(AWG)SPケーブル
では難しかった、音の立体感が見事でした。
残念ながら、Reveal 601pのスピーカーターミナルには10G(AWG)、5.0スケアまでしか差し込むことが出来ません。
アンプ側も同様。そのため、Yラグ、バナナプラグを使用せざるを得ませんでした。
AET PRIMARY F500
そこで、切り売りWeb表示価格 3,780円/m の、かろうじてReveal 601pのスピーカーターミナルの中心の穴に入る、
4芯平衝配列 2.5スケア×2=5.0スケア(10AWG相当)のケーブル、AET PRIMARY F500を試してみることにしました。
HHLよりも下の位置づけですが、実際聴いてみるとけっこう良いケーブルで、HHL EVDに良く似た音の傾向。ワイドレンジさではHHLに一歩譲るものの、
Yラグやバナナプラグを使用せず、ダイレクトにスピーカー、アンプに接続することにより、音のストレートさ、素直さ
で勝っている部分があります。
特に低域から高域にかけての音の質感がビシッと整って、高域にいくほど鋭さが増すようなことがなく、
低域から高域までの切れ味が同じ傾向なのは見事です。
エージング時の音の変化が、HHLよりは少ないのは、これもやはりダイレクト接続の恩恵でしょうか?
ただ、音の粒がHHLより荒く、パリパリする感じです。4芯の外側に巻いている防振材がHHLでは銅テープなのが、
PRIMARY F500では非金属の、防振強化用PET(ポリエチレンテレフタレート:ペットボトルや磁気テープの基材)テープのせいかも知れません。
HHLと比較して奥行きが乏しく、底の浅い音ですが、これはHHLを聴いているから
そう感じるのであって、これだけで聴いていれば、それなりに良い音であることは、間違いありません。
EXIMA Speaker Cable prototype
面白いスピーカーケーブルを入手いたしました。
なんと、CDジャーナル・スピーカーブック2013の特別付録、アイレックス特製EXIMA Speaker Cable、です。
これは3150円で販売予定の製品のプロトタイプとか。
14G(AWG)程度と、線が細めなので、ダイレクトにスピーカーやアンプにつなぐことが出来ます。
音質はとても素直で、奥行きが非常に良く出て、立体感があり、澄み渡った中高域は抜群です。
その分、もう少し低域に厚みが欲しい気がします。パワー感も、もう少しあった方が個人的には好みです。
製品版では少し太めの12G(AWG)になるそうで、低域も少し量感がupするでしょうし、直接ケーブルをアンプやスピーカーにつなぐもよし、
WBTのプラグ等を使うもよし、という具合になりますから、AET PRIMARY F500の良いライバルになるかと思います。
AET PRIMARY F500よりも勝る点としては、透明感でしょうか。しかしよく聴き込むと、ちょっとヒラヒラした感じがしないでもありません。
これはケーブルの制振のために巻いている、アルミ箔テープに関係していると思われます。
しかも、これをキッチリ巻いているため、ケーブル製作がし難く、外皮が薄いため、芯線にまで外側のカットが伝わって
しまって、長さをそろえるためとはいえ、他方のケーブルも切らざるを得ない状況となって、ちょっと残念。
このスピーカーケーブル製作上のポイントや要領か何かをA4紙1枚で構わないので、付けてもらうと良いな、と思った次第です。
追加情報です。
企画制作を行ったアイレックス(株)に試聴記をメールしたところ、EXIMAケーブルの担当の方からメールがありました。
特別付録のプロトタイプではシールド材にはアルミ箔を使用していましたが、製品版では銅箔を採用することになったとのこと。
アルミのチリチリした独特の高域の響きが鳴りを潜め、密度の濃い、透明感のあるサウンドが期待出来ます。
さらに導体の太さを12AWGの予定から11AWG程度にupしたとのこと。より豊かな低域再生が可能となるでしょう。
プロトタイプのケーブルを試聴して、若干気になったところを見事に改善、これは本当に驚きを禁じ得ません。
それとともに、求める音に対して私と同じ方向性をもった担当の方であることがわかり、ちょっと嬉しくなってしまいました。
ただ、残念ながらそういった修正が入ったため、納期が遅れて8月発売だった予定が、9月中旬にずれ込むようです。
でも、もし、発売後にこれだけの修正を行ったリニューアル製品が出ると、最初に発売した製品を購入したユーザーから
不満が出ることは明かですし、それはメーカーにとっても、ユーザーにとっても、好ましいことではありません。
今後のことを考えると、今回の決定は、英断だったと思います。本当に楽しみなケーブルになったようです。
発売時期等、詳しくは、eilex「EXIMAスピーカーケーブル発売時期のお知らせ」をご覧ください。
EXIMA Speaker Cable(製品版)
1) NL4FX - ニチフ5.5AWG 6mm
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2) 両端ニチフYラグ5.5AWG 6mm
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3) WBT0661Ag - WBT0661Cu
ハイエンド用を狙って、WBTの銀と銅のYラグを使用してみました。
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4) 両端WBT0661Cu
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5) FURUTECH FP-201R
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待ちに待った、EXIMA Speaker Cableが2013年10月4日金曜日にやってきました。
エスアイエス経由で、1スプール40m、丸ごと購入しちゃいました。
あんなにAET SINの時には苦労したのに、EXIMA Speaker Cableでは、スピコン側の取り付けは苦も無く終わってしまいました。
一つには二度目だったので、要領が少し良くなったのでしょうが、それより、AETでは太い2線を捩って穴に入れる難しさがあったのだと思います。
今回のEXIMA Speaker Cableでは、1線ずつ挿入するので、銅線が不規則によじれたりせず、11AWGと、10AWGよりも一回り細い線だったので
入れやすくもありました。
また、以前のサンプルと違って太めになっていたので加工もしやすく、周りにカッターナイフで薄めに切れ込みを入れ、尖端の鋭利なハサミで慎重に
削るようにして切れ込みを広げる感じでグルリと一回りすると、案外、外皮もサンプル品の時ほど力が要らすに、比較的楽に外皮を取り外すことができました。
次に手がけたのが、基準となる、両端ともニチフYラグ5.5AWG 6mmのタイプです。
写真は3mモノですが、拙宅では195cmで使用しています。
黒の直径1cmの熱収縮チューブを外皮に被せ、6mmモノをそれぞれ、プラスには赤、マイナスには黒を被せます。
8月15日の「実験工房」の記事をご覧いただくと、ヒート・ガン等、工具、用具一式がご覧いただけます。
そして、ハイエンド用にWBTのYラグ、しかも銀をアンプ側、銅をスピーカー側に使って、銀だけの時のようなドンシャリ、線の細さを回避しつつ、
地に足が着いた、静けさや透明感のある、ワイドレンジタイプを目指して作ってみました。
EXIMA Speaker Cableの有り難いところは、音出し開始時から、エージングはそんなにしていなくても、ある程度の音で鳴ってしまうところでしょうか。
ニチフYラグ5.5AWG 6mmを使用したものでは、残念ながら、空間描写能や芯のある浸透力の強い音
は期待出来ません。が、高域が小粒ですが華かで、浮遊感のある、ちょっとこぢんまりとした音です。
ボリュームを上げて、少し大きめの音で聴くと、スケール感を補い、まとまりの良さをプラスに発揮するように思います。
元々、サンプル・ケーブルの時点でも高域はみずみずしく浮遊感がありましたが、中域との質感が違い、みずみずしいので好きな人は好きでしょうが、
質感が違うのが嫌な方は、ちょっと気になって仕方がなかったかもしれません。今回の製品版ではわずかに高域が線が細く、浮遊感があって、
ヒラヒラした感じがするのですが、サンプル版のような質感の違いは、ほぼ解消されたと言っても良いかと思います。
欲を言えば、WE(Western Electric)のスピーカー・ケーブルのような、芯のある力強さも秘めていて欲しいし、その一方で、
もう少し高域の静けさがあっても良いかな、という気もします。
音の緻密さという点では、サンプル・ケーブルの方が緻密だったかも知れません。
ケーブルの外皮を外す時の密着感は、サンプル・ケーブルの方が上だったように思います。
ひょっとしたら、そういった密着度とも関係しているかも知れません。
高域の質感の変化は、アルミ箔を銅箔に変えたせいかも知れません。ただ、サンプル版に較べて、巻きが緩い気がします。
隙間を埋める綿線も、サンプル版のようなギッシリ詰まった感じがなく、ケーブル加工はし易くて都合が良いのですが、実際の音は、サンプル・
ケーブルと比べて、透明感の点では少々劣る気がします。余韻の部分が音が散る傾向がみられ、ドンシャリでうるさいと言うほどではありません。
価格的にWBTは高価(WBT-0661Cu:希望小売価格13,440円/4個1ケース)なので、基本ということでニチフのYラグを付けたケーブルをまず試してみたのですが、
WBTのYラグ(アンプ側銀WBT-0661Ag、スピーカー側銅WBT-0661Cu)を使用したケーブルでは、鮮度が上がって高域は線が細く、ややドンシャリ気味になってしまいます。
超高域の線の細さは、WBTのYラグを両端とも銅製のCuのものを使用すれば、落ち着くのではないかと思い、早速、AETの自作SINに使用していた銅製Yラグを
外して、銀製Yラグと入れ替えたところ、重心が下がって、高域も落ち着き、線が細くて浮ついたところが改善され、これまでで一番の音になりました。
ひょっとしたら、EXIMA Speaker Cableの製作者は、WBTのYラグで試聴テストを行っていたのではないか、と勘ぐってしまったほどです。
メールで製作者に伺ってみたところ、最終確認は「コネクタ無し」のようで、フルテックの金メッキ、ロジウムメッキのYラグでも確認しているとのこと。
そこで、私もフルテックのロジウムメッキYラグを試すことにしました。このFP-201ロジウムメッキYラグは、
まるでEXIMA Speaker CableのためにあるようなYラグです。
EXIMA Speaker CableとWBTの銅Yラグでは音がきめ細かいのは良いのですが、勢いと音の芯が不足する部分がありましたが、FURUTECH FP-201R(ロジウムメッキ) Yラグではまったくそんなことはなく、
音の芯もしっかり出ていて粒立ちが良く、値段はむしろWBTより安いのですが、フルテックでは1ランク上がったような感じさえあります。
超ハイエンドのソナスのストラディヴァリではさすがにAET Evidende SPには一歩譲りますが、HARBETH HLCompact 7ES-3では
とても鳴りっぷりが良く、FURUTECH_FP-201R(ロジウムメッキ) Yラグを得てHARBETHのちょっとこもりがちな部分を解き放って軽快なサウンドになり、3,150円/mでこの音なら、大満足です。
それにしても今回、フルテックのYラグの優秀さ、改めて思い知らされた次第です。
AET PRIMARY F150
安くて音の良さそうなケーブル、ということでAETのPRIMARY F150
というのもテストしてみました。
2芯平衝配列 1.5スケアと、かなり細身で、取り回しのし易さは抜群です。
PRIMARY SPシリーズは、ピュア・オーディオはだけでなく、ホームシアターも視野に入れた、高音質の廉価な
882円/mの切り売りスピーカーケーブルです。
音は、と言うと、さすがに格上のF500には奥行き、透明感等の点では及びませんが、素直で嫌な響きがなく、
取り回しのし易さから、確かにテレビ用スピーカーの配線などに気軽に使える点は、評価できると思います。
AET Evidence SP
この太さで、長さで、そして2本必要なのですから、金額がただ事ではありません。
しかし、AETの、そして世界最高峰のスピーカーケーブルのこの音を聴いてしまったら、虜になってしまって、もう、逃れられません。
「電線病」とはよく言ったもので、本当に「ビョーキ」です。(^^;
超高分解能でありながら、それをひけらかさず、ローエンドまで実にワイドレンジ。それでいて芯の部分がしっかりあり、音の質感を損なわず、
線の太さが低域から高域まで揃っているというのは、オドロキです。
AET EVOLUTION 1304H AC/SP
拙宅用ではないのですが、別所で使用するため、8mと、長尺のケーブルを久々に自作してみました。
試聴は拙宅の下記システムで行っています
ソース:LINN Renew DS(元はKlimax DS) ジャズが中心
プリアンプ:Ambrosia 2000SE(ブラックパネル)
パワーアンプ:Ampzilla 2000(ブルーパネル)
スピーカー:マジコ A3
昨日の午後、写真にあるようにYラグを取り付け、熱収縮チューブで見た目も整えてみました。
黒の熱収縮チューブはφ16mm、紅白は8mmです。
ホームセンターのハンズマンで売っている、一般的なものです。
ちなみにYラグはAET製を圧着。半田は使用していません。
ヒートガンが必要(モノタロウで購入)なのが少々難点ですが、熱収縮チューブは見た目だけでなく、より安全な
絶縁状態を保つ意味でも使用した方が良いと思います。
まだ丸一日もエージングしていない段階ですが、解像度もですが、野太さもある上に、音の質感が見事で、
生き生きとしたサウンドが素晴らしい!
グイグイと前へ、前へと音が喜び勇んで出てくる様です。
おそらく、Ampzillaのサウンド傾向とこのケーブル、方向性が一致しているのでしょう。
方向性が違うものを組み合わせた際の、ストレスを感じません。
スピーカーケーブルをAET 1304Hに変えるだけで、それまでは300〜400万クラスの普通のオーディオシステムのサウンドだったのが、
そんじょそこらの1,000万円クラスのシステムなんぞに負けないサウンドに化けた様に思います。
まだまだ鳴らし始めですが、次第に透明感と低域の伸びが出てきて、楽しみです。
自作できる切り売りケーブルとしては、AET EVOLUTION 1304H AC/SPは最高峰と言っても過言ではないかも知れません。
ちなみに、AETのYouTubeで説明している完成品の
AET EVOLUTION 1304H AC/SP 電源ケーブルは\36,000と、格安です!
10倍以上の価格帯のものと十分勝負出来るのではないでしょうか?
もし、2mくらいの1304Hにメッシュ編組チューブ(スリーブ)を
被せて「これ、86万もしたけれど、どうよ!」と言って聴かせても、誰も疑わないでしょう。
スピーカーケーブルは完成品2mのペアで7万円前後の模様。
L/R必要ですから、倍の値段になっちゃうのは仕方ないとして、完成品の実売価格はおそらく6万円前後でしょう。
切り売りだとスピーカーケーブルはYラグやバナナプラグが別途必要になりますが、6,000円/mとのこと。
AETは直売はしていないので、関東だとエスアイエス、関西だと逸品館
で取り扱っていますので、お値段は相談してみると良いかと思います。
そうそう、書き忘れていましたが難点が一つ。白い外皮なので、音質的には良いのでしょうが、汚れが目立つのです。
自作したあと、汚れを拭ってやると、せっかくのAET EVOLUTION 1304H AC/SPの文字が薄くなってしまうことがあり、
あまりゴシゴシとは拭えませんのでお気を付け下さい。
色違いのブルーバージョン、1304Fと言うのもありますが、こちらは先のYouTubeの書き込みによると、低音から高音まで
バランスよく、レンジと広がりのあるサウンドとのこと。
クラシック音楽に合うかも知れません。
こういった選択肢があるというのも、嬉しいですね。
直接比較した訳ではありませんが、個人的にはジャズが今までにも増して楽しく聴ける、1304Hの方が好みだと思います。
低域の芯と厚みがあるのに、ダレず、伸びていながら弾んでくれるというのは、なかなか今まで経験したことのないサウンドです。
AETと言うと、Evidenceシリーズが現在終了して、高額ケーブルの販売がなくなってしまい、切り売り出来る1302Hも残り少なくなって、
私が希望する長さでは入手困難となってしまいましたが、それを補ってあまりあるケーブルの登場に、ホッと安堵の胸をなで下ろしている
ところです。
AETが良いとわかっていても、金額的に高額過ぎて今まで手が出なかった方々も多かったかと思います。
そういう方々にも、1304Hなら、自信を持ってお勧めできるかと思います。
ただ、ちゃんと加工するにはそれなりの工具の用意が必要なことと、外皮を剥がすにはそれなりの技術が必要ですから、
それを考えると、値段を考慮すれば、完成品でもお安いかと思います。
それにしても、本当は今日、このケーブルをエージング方々、鳴らしっ放しにして遊びに出かけるつもりだったのが、
朝、耳にした音があまりにも自分好みに鳴っていたので、結局、出かけずにいろいろジャズをかけて聴き込んでしまいました。
エージングの最中は酷い音が多いので、いつもなら逃げるようにして出かけることが多いのですが、9月14日の午後に製作して、
これを書いている時点では、まだ丸1日くらいしか経っていないのに、こんなに好みのサウンドで鳴っていること、通常はありえません。
切り売り可能なケーブルとしては、6,000円/mは高価ですが、買値はもっと安いです(^^
AETとしては、上位モデルを出すとなると、これ以上のサウンドでなければ売れないでしょうから、
一気にハードルが上がってしまって、上位モデル、出し辛くなるのではないか、と、ちょっと心配になってしまいます。
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