■ TANNOY Reveal 601a v.s.メインシステム ■


今までは、TANNOY Reveal 601aはあくまで「安上がりの良い音の出るシステム」を追求してきました。
で、それはパソコンでもある程度、堪能できるくらまでの、本当に安くて良いシステムが構築できることを確認しました。

BELDEN8412ROHS 2BL cable RCA


PRO CABLEのWeb pageでレファレンスのように書かれてある、 BELDEN8412 RCA 1.5mも入手、試聴してみて、拙宅のJBL DD66000にも通じる、押しの強い、まさに「脱いでも凄い」巨乳なのに スタイル抜群のボディコン・アメリカ娘的サウンドだなぁ。 アメリカの録音なら、こういうケーブルが合うのだろう、と感心して聴いていました。

ちなみにRCAタイプのテストでは、Reveal 601a側には、カルダスの新型 RCA/XLR変換プラグを使用しています。黒っぽい旧型に較べてハイ落ちが少なく、高域の粒立ちも見事で、 音の鮮度が上がった感じがします。長さが旧型に較べて短くなっているのも特徴です。
ただ、この変換プラグを付けると、どうもこの音が乗ってしまって支配されてしまうようで、みんなRCAタイプは 粒立ちの良い音になってしまう傾向になって、評価の際には注意が必要です。

BELDEN8423 silverXLR


たまたまWebには、その下に3芯の BELDEN8423 というのがあって、バランス専用とのこと。拙宅はバランスケーブル を使用することが多く、以前、LINNのDSにバランス接続で聴いたらRCAより透明感があって良い結果だったので、ものは試しと、 プラグはノイトリック・シルバー・タイプ XLR1.5mを取り寄せてみました。

これが驚きで、確かにBELDENらしい、押しの強さの片鱗はありますが、8412のような押しつけがましさがそれほどではなく、 高域が色彩感が豊かで、みずみずしく、透明感があります。
低域のモッコリ感もなく、実際はローエンドは出ていないようですが、とても伸びやかなように聴こえます。
しかも、しっかと地に足をつけ、実体感のある、音像がクッキリ描き出されるところは、NEUMANNのケーブルにも通じるようです。
ただこのケーブル、バランス専用なので、残念なことにRCA タイプは製作上出来ないとか。


BELDEN8423 goldXLR


プラグがノイトリックのシルバーとゴールドではどう音質が違って来るのか興味が沸いたので、金メッキ分も取り寄せてみました。 銀メッキと較べて音の華かさが少し劣るものの、音像が引き締まって、音像がさらに明瞭になった気がします。それが逆に 音がこぢんまりした、と感じる方がいらっしゃるかも知れません。
微妙な違いですが、音が散らない、余韻が広がりすぎないのも銀と金メッキの違いかも知れません。
これは同じ金メッキの7mのロングタイプで聴いても同じ傾向で、長く伸ばしても音がダレたりしない点は秀逸かと思います。
銀メッキにしても後述のNEGLEX2534と較べて華かさの点では一歩劣りますが、音像をキッチリ余韻部分と本体部分を描きわけ、 NEUMANNのケーブルのように質感を正しく表現する点はさすがです。

ケーブルがNEUMANNほどではないですが、柔らかくて比較的取り回しがし易いのも有り難いですね。
個人的には金メッキの方のキッチリした鳴り方が好きですが、シルバーの伸びやかさも捨てがたく、もう、ここまで来ると、 好き好きですね。
シルバーにせよ、ゴールドにせよ、この8423は、数あるケーブルの中でも白眉と言えましょう。
Evidenceほど情報量はないようですが、かえってReveal 601aには処理能力的にも好都合なのかも知れません。
クラシック音楽用メインシステムのFirst Watt SIT-1はRCA typeだけで、バランス入力がないため、残念ながら試すことが出来ません。

BELDEN88760XLR,88770 silverXLR


赤の外皮が目に鮮やかな、オールテフロン絶縁の左側の写真、 BELDEN88760 や、それを3芯にした右側の写真、 BELDEN88770 もベルデンのケーブルの中では評判が良いようなの で取ってみました。
こちらでは2芯、3芯で音の差がそれほど感じませんでした。88760,88770では音が散って、音像がややボケる傾向にあります。
浮遊感と広がりがあって聴いていて心地良いサウンド、とおっしゃる方もいますが、私、個人としては、実体感が薄れて しまうような楽器の鳴り方には慣れていないせいか、聴いていて気持ちが落ち着きません。

BELDEN8412 goldXLR


ひょっとしたらBELDEN8412もXLRタイプなら印象が違うのかもしれないと思って、XLRタイプでドンシャリにならないよう、 プラグはノイトリックの金メッキタイプ、 BELDEN8412 goldXLR150cm を取り寄せてみましたが、高域の鋭さは透明感が少し加わって聴きやすくなったくらいで、やっぱりBELDEN8412はXLRになっても、 BELDEN8412でした。(^^;

Vital Audio OFC AUDIO LINE CABLE VAM-265


英国スタジオでは、日本のNEGLEX(MOGAMI)2534のようによく使われている Vital Audio Cable
ベルデン8423に較べて重心が少し上がった感じ。華やかで高域の伸びはありますが、ドンシャリに感じる時もあります。 音像はやや大きめ。ベルデン8423等に較べて低域の音の芯が乏しく、時に腰砕け的になるので、聴いていて落ち着きません。 優しい音、と言えば言えなくもないのですが・・・・・・。RCAでもXLRでも印象は変わりません。

AET SCR LINE EVD XLR


Evidenceシリーズのノウハウを加味して作られた新しいタイプのSCRが、AET SCR LINE EVDです。
元気の良さ、鳴りっぷりの良さはEvidence LINE以上。解像度は少し劣ります。
低域はEvidenceシリーズが解像度が良すぎて音像が少し大きめになり、エンクロージャーを飽和させてしまう ことがありましたが、SCRはそこまではなく、ベルデン8423より少し大きめの音像が勢い良く放たれる感じです。
色彩感はEvidenceほどではありませんが、けっこう豊かです。
ベルデン8412ほどの勢いや弾力感はありません。むしろ、シンバルの硬質感が見事です。
全体的にも、コリッとした硬質感があって、同じAETでもEvidenceのしなやかできめ細かいサウンドとは、対極を 成すのかも知れません。聴く音楽、たとえばジャズ等では「EvidenceよりSCRの方が好き」と言う方がいても、 不思議ではありません。
ケーブルが硬くて、取り回しに余裕が必要だということ。さらにプラグに荷重がかかりやすいので、 プラグのネック部のトラブルにご注意下さい。
 
インターコネクトケーブルをBELDEN8423に固定し、次に電源ケーブルを試すことにしました。

WATTGATE plug+A2D SOLUTINS AC cable



TANNOY Reveal 601aとLINN DS Renewのすべてに WATTGATEプラグ+A2D SOLUTINSシールド電源ケーブルを使うと、見事に重心が下がって、 高域のシャープさが増し、エッジもキッチリ立って、メインシステムのソナスより、音が前に出てくる感じで聴いていて とても楽しめる音になったのです。

そこで、きっとアメリカのアンプにはもっとこのケーブルが合うだろうと思って、メインシステムに使用している、First Watt SIT-1の 電源に試してみたのですが、AETのEvidence ACのローエンドまでしっかり伸びて、一つ一つの音をほぐして聴かせる 超高分解能の音とは違って、高域は切れ込みが鋭過ぎて、エッジが立つのは確かですが、音に余裕が感じられません。 低域は伸びきらず、よっぽどTANNNOY Reveal 601aの時の方が低域が出ていると感じるくらいです。

最初は、Reveal 601aの時がHUBBELL SPECIFICATION GRADE DUPLEX RECEPTACLE(HBL5362I)で、 First Watt SIT-1がWATTGATE model381と、電源コンセントが違うためだと思っていたのですが、 WATTGATEプラグ+A2D SOLUTINSシールド電源ケーブルをWATTGATE model381の電源コンセントに差し替えても、特に低域の伸びない感じは改善せず、 透明感が少し加わって聴きやすくなったくらいでした。

これを単に「組み合わせの妙」で片付けて良いものかどうか。
ひょっとしたら、TANNNOY Reveal 601aにしても、BELDEN8423にしても、共にプロ用の機材で、これにはコンシューマー用で 最高峰を目指したAETのEvidence ACよりも、アメリカで一般的なプロ用機材に使われているWATTGATEの方が相性が良いのかも 知れません。

元々、AETのEvidenceシリーズは、接続するオーディオ機器の特徴を引き出すというか、持ち味を邪魔しないケーブルですので、 Evidenceシリーズの方が、 WATTGATEプラグ+A2D SOLUTINSシールド電源ケーブルより、個性的なFirst Watt SIT-1には合っていたのかも知れません。
逆に、WATTGATEプラグ+A2D SOLUTINSシールド電源ケーブルでは、First Watt SIT-1とでは喧嘩してしまうのかも知れません。
それはともかく、電源ケーブルを WATTGATEプラグ+A2D SOLUTINSシールド電源ケーブルに固定すると、あとはインターコネクトケーブルでいろいろ遊ぶことが出来ます。

純然たるクラシック音楽用に振りたい時には、NEUMANNのインターコネクトケーブルを使用。
肉感あふれるサウンドが欲しくなったら BELDEN8412
透明感があり、質感を正確に表現、オールラウンドにこなしたいならBELDEN8423
質感より浮遊感、広がり重視なら BELDEN88770
ジャズのシンバルを色彩感豊かに、硬めの音で楽しみたいなら、AET SCR LINE EVD

NEGLEX2534 XLR



多少ドンシャリでも、ワイドレンジで元気よくJ-POPが楽しく聴きたいならNEGLEX(MOGAMI)2534
透明感ではBELDEN8423には及びませんが、これはこれでアリの音かな、と思います。

このようにDSとTANNOY Reveal601aの間のケーブル一組替えるだけで、好みのサウンドに振ることが出来るのです。
他の拙宅のシステムではこんな離れ業は出来ません。
スピーカーの適応能力が広いのと、ケーブルによる反応が素直なのか、とにかく思い切り、自分勝手な好き放題、 やりたい放題の音にドンピシャで出来るというのは、なんとも、オーディオシステムのオーナーとしては、これほど嬉しいことはありません。


Last update Jun.6.2013