■ TANNOY Reveal 601p v.s.メインシステム ■


もう、お気付きになった方がいらっしゃるかと思います。
実は、オーディオのWebフロント画面のスピーカーとアンプが変わっています。
そう、スピーカーはアンプが付いていない、TANNOY Reveal 601pに。
そして、パソコンからつながっているアンプは、ティアックのUSB/ネットワーク対応プリメインアンプNP-H750です。

今までは、アンプ付きのTANNOY Reveal 601aを中心にいろいろ実験を重ねてきました。
ここからは、アンプの無い、通常のスピーカーtypeのTANNOY Reveal 601pをどうしたらメインシステムに迫る音にすることが 出来るのか、挑戦することにしたのです。

もちろん、アンプやケーブル類、DSをメインシステムと同じにすれば、かなりのところまで行けることは、 安いデジタルアンプとの組み合わせの時に確認しています。
しかしそれでは、何のための格安スピーカーなのか、本末転倒と言われても仕方ありません。スピーカーケーブルに30万円も出すなら、 スピーカーを20万円くらいの2段階くらい格上のものを使えば、良い音がするであろうことは、聴くまでもありません。
そこで、安いスピーカーなら、安いケーブルで、アンプも格安のものを使いながら、メインシステムに負けない、 魅力ある音が出せないものか、実験することにしました。

WATTGATE plug+A2D_SOLUTINS AC cable



アンプの電源ケーブルはコストパフォーマンスが非常に高く、音も良い WATTGATEプラグ+A2D SOLUTINSシールド電源ケーブルを使用することに決定。 この電源ケーブルは、PRO CABLEの特製で、国内で入手可能なのが有り難いですね。
アンプは、出来ればUSBのデジタル入力があって、プリメイン一体型でネットワークオーディオが使える、5〜6万円くらいのものが目安です。

もちろん、以前、試したデジタルアンプはそれなりに良かったのですが、万一の時の修理対応等が不安で、それなりのメーカー製のものを 探すことにしました。

世の中、探せばあるもので、ティアックのUSB/ネットワーク対応プリメインアンプNP-H750が 候補の一つに上がってきました。 USBだけならA-H01というのもあります。
いずれの製品も、TOS-Link入力、COAXAL入力、LINE RCA入力2系統も備え、A-H01は買値で3万円弱。NP-H750は45,000円弱です。

アンプ付きスピーカーTANNOY Reveal 601aとの価格差を考えると、パソコンからダイレクトにUSB経由で繋ぐ環境なら、A-H01で良いし、 ネットワークオーディオとして、パソコンは別の場所に設置することを考えると、多少高くとも、NP-H750 でも許容範囲かと思います。
そして、音、ですが、NP-H750は予想を遙かに上回るレベルで、正直、驚きました。
あれだけReveal 601aを持ち上げといて何ですが、601pとNP-H750との組み合わせの方が 音が良いです。もちろん、スピーカーケーブルの選択が重要になってきますし、現時点では簡便なUSBでの接続で行っているので、 ネットワークオーディオの設定を完了しないと最終的なことは言えないのでしょうが、601シリーズの音の良さは、本当に凄いものです。

AET SIN SP cable


まずはスピーカーケーブル、手持ちで試すことにしました。
手持ちで一番、値段が高くて音も良いと思われるのが、AET SIN-SP-EVOです。これは逸品館で切り売りSIN(4,950円/10cm)があったので、 以前、取り寄せた分です。
デジタルアンプのテストの時には、無理矢理、アンプ側にもYラグを付けて使用していました。
スピーカー側はYラグでOKなのですが、アンプ側がYラグ非対応のターミナルで、バナナプラグでの接続となりました。
実は、最初にティアックのNP-H750を試したのが、このケーブルで、 「ティアックのUSB/ネットワーク対応プリメインアンプじゃ、やっぱり駄目かぁ」と、スピーカーケーブルが原因とは考えず、 ガッカリしたものでした。
確かにローエンドもよく出て、きめ細かい高域はさすがなのですが、鳴らし始めということもあって、クリアさに今一つ欠け、 何か奥歯にものが挟まったような、引っかかるものを感じていました。

JPS SUPER BLUE_2


そこで次に試したのが、職場のスピーカーに使用していて余ったJPSのSuper Blue2。
当初はAET SIN-SP-EVOと同じく、Yラグ、バナナプラグを使用していたのですが、 それでもけっこう芯のある、メリハリの効いたサウンドで、アメリカから取り寄せて、1,000円/mですから、国内だと2,000円クラスでしょうか。 さらに2芯の芯線を見ていて、これだったらTEACのアンプのターミナルとReveal 601pに直接入るかも知れない、と思い、 バナナプラグ、Yラグを切って差し込み、音を聴いてびっくり。
鮮度が一気に上がって、実にクリア。メリハリもあって、ジャズが楽しく聴けたのです。ローエンドもよく伸びて、聴いていてとても楽しいんです。
ひょっとしたらバナナプラグって、手軽さはあるのですが、音的には非常に悪さをしているのかも知れません。 試しにスピーカー側はダイレクトではなく、WBTのYラグを使ってみましたが、やはり少し音の透明度と鮮度が落ちます。 しかし、バナナプラグほどではないように思います。シルバー・タイプは銀の良さである、高域の伸びやかさを堪能でき ますし、Yラグはターミナルとしっかり接触面積が取れるものだったら、それなりに使えると思いました。
                                                                      
さて、ここまでやって来ると誰でも考えることだと思うのですが、最もシンプルに中身の赤と黒のケーブルだけだったら、 どんな音になるだろう、と。早速、実験してみました。
少し高域が暴れます。鮮度と言うか、クリアさがやや落ちる気がします。でも、本質的には変わりません。
取り回し易さを考えると、これでも良いか、と思ったくらいです。

WE-AIW 14GA SP cable


で、JPSの赤黒ケーブルを見ていて、ふと、PRO CABLEのWebにWE(Western Electric)社の 同じような赤黒スピーカーケーブルがあったな、と思い出し、A.I.W社による復刻版の14Gモノを注文してみました。
Webには6〜8mの長さで接続するのに最適な太さ、とありますが、テストなので、2mと長さ的には短くなっています。 お値段は1,900/mと、少々高め。でも、WEを扱うヴィンテージショップでは、3,000円を超える値段で売っていたりします。
そしてこの音!
未だにWE(Western Electric)社を信奉する方々がいらっしゃる理由、わかる気がします。
JPSでも楽しかったのですが、こちらはさらに芯のある、メリハリの効いた音です。逆に言うと、JPSの方が少し高分解能で、 音を解きほぐして聴かせていたのかも知れません
ジャズには本当に良いかと思いますが、拙宅ではJBLのスピーカーターミナルの付け替えは面倒なので、ソナスファベールの ストラディヴァリで試してみました。
すると、ちょっときつめの音で、分解能が現在使用しているAET Evidenceと比べると少々劣るので、クラシック音楽用の 高解像度スピーカー向きではないと思います。でも、楽器の質感が正確に描き出され、芯のある音は、さすが、です。

WE-AIW 10GA SP cable


一度、WEのケーブルで味をしめると、さて、オリジナルの太いタイプはどうだろうか、と気になります。
そこで、PRO CABLEのWebで一番太いWE 10Gモノ、取り寄せてみることにしました。
お値段は2,100/mと、昨今のスーパーケーブルから比べたら、100分の1くらい、です。
これはWebによると13〜16m用とのことですが、テスト用なので、2mで使用しています。
その音ですが、聴いた瞬間、「マッチョだぁ!」と、笑ってしまいました。
音像は14GAに比べて少し大きめ。すべての帯域に渡って芯のある音がします。 さらに低域の力強さは、半端じゃないです。14GAでは低域はこの半分くらいの印象でした。 聴感上は低域の出過ぎなのでしょうが、小型スピーカーを使用しているので、どうしても低域不足が否めず、それを 補う意味でも、この太いタイプのスピーカーケーブルは、「トーンコントロール無しでケーブルだけで低域の量感アップ」を 図ることが出来る、魔法のケーブルと言って良いかも知れません。

でも、本来の使用方法ではなさそうで、ケーブルを長く伸ばした時、低域のエネルギー感が失われていくのを考慮して、 スピーカーケーブルとして10m超える長さを引き回す時に最適にチューニングされているのかも知れません。
ちなみに、10GAのこのケーブル、ぎりぎりReveal 601pのスピーカーターミナルの真ん中の穴を通すことが出来ます。 ただ、少し曲がっていたり、撚れていたり、線がはみ出ていたりすると、駄目です。そういう場合は、再度、ケーブル・ストリッパー 等を使用して、真っすぐ、綺麗に外皮を剥いてやり直してやると、きちんと収まります。


BELDEN8477 12GA SP cable


安くて音の良さそうなスピーカーケーブルと言えば、PRO CABLEで入手可能なベルデンが思い浮かび、 12GAモノ8477を取り寄せてみました。700円/mと、かなり安価です。
そしてこの音、どこかで聴いたことがあるな、と考えを巡らせ、思い当たりました。
そう、ベルデンの3芯のインターコネクトケーブル BELDEN8423 の みずみずしく、色彩感豊かで、空間分解能に優れ、楽器の立ち位置、前後感まで手に取るような音。あの音に似通っているのです。
さらに音にスピード感があり、透明感もあって、WE-AIW製10GAのSP cableのように、力業で低域をぶん回すような鳴らせ方はしません。 ただ、それを「低域が軽い」「重量感がない」「高域の芯が乏しい」と感じる方がいるかも知れません。
ジャズのシンバルが派手に鳴ってくれるという意味では、WE-AIW製10GA SP cableに一歩譲りますが、クラシック音楽にはこちらの方が 相性が良いかと思います。それでいて、スピード感、色彩感があるので、個人的にはジャズもけっこう気に入っています。

それからもう一つ、注意しないといけないのは、鳴らし始めは低域が出ないし、出てもモッコリ、切れの悪い、寸詰まりの音です。
AETのEvidenceもそうですが、1日目はひどい音でガッカリさせられます。ここは我慢のしどころで、「100時間鳴らしてから評価しよう」 とのんびり構えるくらいにしておかないと、エージングが進んできて音に色彩感が出始めていることに気づかず、ブチ切れてゴミ箱に放り 込まないとも限りません。それくらい、鳴らし始めは、ひどい音です。(笑)
欲を言えば、もう少しローエンドが伸びている感じが欲しい。WE-AIW製10GA SP cableで聴かせてくれたあの低域が耳から離れない せいかも知れません。でも高域のみずみずしさ、分解能は、圧倒的にBELDEN8477。悩ましいところです。

で、最終的にスピーカーケーブルはどれになったかって?
それは、やっぱり「聴いてて楽しいWestern Electric 10GA」。
ミーハーと言えば言えなくもないんですけど、せっかくオーディオやるなら、楽しくないと。
でも、これは高解像度クラシック音楽用システム、ソナスのストラディヴァリがあるから可能な選択と言えなくもありません。
もし、オールラウンドに、となったら8477を選ぶ可能性の方が大きいかも知れません。


Last update Jun.18.2013