■ TANNOY Reveal 601pのケーブル選び ■


前回、廉価なスピーカーケーブルを中心に、いくつか試してみました。
今回は、スピーカーケーブルに限らず、価格も「Reveal 601pだから」という前提を取っ払って、 実験してみることにしました。
また、お気づきになった方がいらっしゃるかと思いますが、アンプの下だけでは無く、 スピーカーの下にも「ローマンストーン」を敷いて、スピーカーはスパイクで浮かせています。このスパイクは なんとホームセンター「ハンズマン」で入手したものですが、スパイク受けがなかったので、そのまま「ローマンストーン」に 直刺しになっています。
このスパイクの使用により、スピーカーの低域のこもりが少なくなり、音の純度が増したように思います。
さらには、音源がノートパソコンだったのが、拙宅のメインの、そう、このWebを作成しているパソコンからUSBケーブルを通して に変更となっています。
ですから、表にはパソコンが出てきていませんが、黒いケーブルが左側に伸びていて、パソコンとつながっているのです。

※EXIMA Speaker Cableについて、追加情報があります!

AET HHL EVD2m WBT0645Cu-WBT0681Ag


それというのも、6月17日の切り売りAET SIN-SP-EVOでの音があまりにも悪くて、こんなはずじゃない、と、 エスアイエスに頼み込んで、本来は切り売り出来ないケーブルですが、AETのHHL EVD(5.5スケア 2芯平行構造)を無理言って4mだけ取り寄せ、 WBTのバナナプラグ0645CuとYラグ0681Agで作って音を聴いてびっくり。 これ、けっこう、良かったんです。
非常にワイドレンジで、十分に低域が出ていて、スピード感もあり、やや高域が繊細気味かも知れませんが、聴いていてとても心地良い音です。
エージング時の音の変化が大きいのには驚きましたが、これはYラグ、バナナプラグのせいもあるかも知れません。 キメの細かさ、音の懐の深さが秀逸で、WE(Western Electric)社10G(AWG)SPケーブル では難しかった、音の立体感が見事でした。
残念ながら、Reveal 601pのスピーカーターミナルには10G(AWG)、5.0スケアまでしか差し込むことが出来ません。 アンプ側も同様。そのため、Yラグ、バナナプラグを使用せざるを得ませんでした。

AET PRIMARY F500


それならば、と、切り売りWeb表示価格 3,780円/m の、かろうじてReveal 601pのスピーカーターミナルの中心の穴に入る、 4芯平衝配列 2.5スケア×2=5.0スケア(10AWG相当)のケーブル、AET PRIMARY F500を試してみることにしました。
これも、けっこう良いケーブルで、HHL EVDに良く似た音の傾向。ワイドレンジさではHHLに一歩譲るものの、 Yラグやバナナプラグを使用せず、ダイレクトにスピーカー、アンプに接続することにより、音のストレートさ、素直さ で勝っている部分があります。
特に低域から高域にかけての音の質感がビシッと整って、高域にいくほど鋭さが増すようなことがなく、 低域から高域までの切れ味が同じ傾向なのは見事です。
エージング時の音の変化が、HHLよりは少ないのは、これもやはりダイレクト接続の恩恵でしょうか?
ただ、音の粒がHHLより荒く、パリパリする感じです。4芯の外側に巻いている防振材がHHLでは銅テープなのが、 PRIMARY F500では非金属の、防振強化用PET(ポリエチレンテレフタレート:ペットボトルや磁気テープの基材)テープのせいかも知れません。
HHLと比較して奥行きが乏しく、底の浅い音ですが、これはHHLを聴いているから そう感じるのであって、これだけで聴いていれば、それなりに良い音であることは、間違いありません。

AET SIN SP WBT0610Cu-WBT0681Cu


6月17日の切り売りAET SIN-SP-EVOの音の悪さは、何か別の原因があるのでは ないか、と思い、上にあるAET HHL EVDと同じく、WBTのバナナ、 Yラグを使用してみることにしました。
残念ながらまったく同じというわけにはいかず、バナナは6010Cu、Yラグは0681Cuを使用しての実験です。
いつも思うのですが、ケーブルの試聴ほど神経を使うものはありません。
だいたい、3〜4日しないと、最終的な話が出来ないほど、刻々と音が変化していきます。
特にYラグやバナナなど、接続部を取り付けたものは、音がストレートに変化していきません。
このコーナーを書き始めたのが23日。現在、26日。その間、いろんなケーブルを平行して試聴していますので、実際、 このケーブルにかけた時間は丸2日半くらいでしょうか。
ケーブルエージングマシーンでもあれば便利なのですが、オーディオは機器との接続後、落ち着き具合も関係するようで、 他で使用中のものを持ってきても、すぐには本領発揮とはいかないのが難点です。

まぁ、それはともかく、ローエンドもよく出て高域のきめ細かさは相変わらずなのですが、クリアさに関しては 信じられないくらいの、抜群の出来で、ピラミッド構造のどっしりと安定した低域の上に中高域が乗っかり、 Reveal 601pが、まるで10インチ口径のスピーカーのようなローエンドを聴かせてくれます。
ひょっとしたら、6月17日の切り売りAET SIN-SP-EVOの音の悪さは、実は エージング不足が主な原因だったのかも知れません。
だとしても、今回は初っぱなから、それほどクリアさが足りない感じはせず、むしろローエンドのモッコリさが鳴らし始めて 急速に改善したのが、不思議なくらいです。

もしかしたら、スパイクでスピーカーを浮かせたお陰で、ローエンドがこもらなくなったのか、あるいは6月23日分を書き始め てからは、音源のPCをノートからメインのデスクトップPCに変更したのが原因か・・・・・・。
実はUSBケーブルをノートPCの時にはWIREWORLD PLATINUM STARLIGHT USBだったのですが、 メインのPCから引き延ばすには少々長さが不足していたので、 AIM SHIELDIO USB UAC-F030 (3m ブラック) 15,960円(by Amazon) を購入。後の方でも述べますが、これが実にクリアな音で、ローエンドもしっかり出て、立体感のある音。この 影響があるのかも知れません。

ただ、ジャズを鳴らすにはローエンドがやや出過ぎて、中低域のスピード感が AET HHL EVDほど出ていなくて、しかし伸びやかさは抜群なので、 こちらはクラシック音楽に相性が良いかと思います。
それにしても、本当にオーディオの音の判断て、難しいものですね。

EXIMA Speaker Cable prototype


今回、面白いスピーカーケーブルを入手いたしました。

なんと、CDジャーナル・スピーカーブック2013の特別付録、アイレックス特製EXIMA Speaker Cable、です。 これは3150円で販売予定の製品のプロトタイプとか。
14G(AWG)程度と、線が細めなので、ダイレクトにスピーカーやアンプにつなぐことが出来ます。
音質はとても素直で、奥行きが非常に良く出て、立体感があり、澄み渡った中高域は抜群です。
その分、もう少し低域に厚みが欲しい気がします。パワー感も、もう少しあった方が個人的には好みです。

製品版では少し太めの12G(AWG)になるそうで、低域も少し量感がupするでしょうし、直接ケーブルをアンプやスピーカーにつなぐもよし、 WBTのプラグ等を使うもよし、という具合になりますから、AET PRIMARY F500の良いライバルになるかと思います。
AET PRIMARY F500よりも勝る点としては、透明感でしょうか。しかしよく聴き込むと、ちょっとヒラヒラした感じがしないでもありません。 これはケーブルの制振のために巻いている、アルミ箔テープに関係していると思われます。
しかも、これをキッチリ巻いているため、ケーブル製作がし難く、外皮が薄いため、芯線にまで外側のカットが伝わって しまって、長さをそろえるためとはいえ、他方のケーブルも切らざるを得ない状況となって、ちょっと残念。
このスピーカーケーブル製作上のポイントや要領か何かをA4紙1枚で構わないので、付けてもらうと良いな、と思った次第です。
                                                                      
追加情報です。
企画制作を行ったアイレックス(株)に試聴記をメールしたところ、EXIMAケーブルの担当の方からメールがありました。
特別付録のプロトタイプではシールド材にはアルミ箔を使用していましたが、製品版では銅箔を採用することになったとのこと。 アルミのチリチリした独特の高域の響きが鳴りを潜め、密度の濃い、透明感のあるサウンドが期待出来ます。 さらに導体の太さを12AWGの予定から11AWG程度にupしたとのこと。より豊かな低域再生が可能となるでしょう。 プロトタイプのケーブルを試聴して、若干気になったところを見事に改善、これは本当に驚きを禁じ得ません。
それとともに、求める音に対して私と同じ方向性をもった担当の方であることがわかり、ちょっと嬉しくなってしまいました。

ただ、残念ながらそういった修正が入ったため、納期が遅れて8月発売だった予定が、9月中旬以降にずれ込むようです。
でも、もし、新発売後に、これだけの修正を行ったリニューアル製品がすぐ出たりしたら、最初の製品を購入したユーザーから 不満が出ることは明かですし、それはメーカーにとっても、ユーザーにとっても、好ましいことではありません。
今後のことを考えると、今回の決定は、英断だったと思います。本当に楽しみなケーブルになったようです。

発売時期等、詳しくは、eilex「EXIMAスピーカーケーブル発売時期のお知らせ」をご覧ください。

AET PRIMARY F150


今回、安くて良さそうなケーブル、ということでAETのPRIMARY F150 というのもテストしてみました。
2芯平衝配列 1.5スケアと、かなり細身で、取り回しのし易さは抜群です。
PRIMARY SPシリーズは、ピュア・オーディオはだけでなく、ホームシアターも視野に入れた、高音質の廉価な 882円/mの切り売りスピーカーケーブルです。
音は、と言うと、さすがに格上のF500には奥行き、透明感等の点では及びませんが、素直で嫌な響きがなく、 取り回しのし易さから、確かにテレビ用スピーカーの配線などに気軽に使える点は、評価できると思います。

AIM SHIELDIO NA3


今まで書かなかったLANケーブルですが、いろいろ試して、今のところ、2種類がお勧めです。
メインはこのAIM SHIELDIO NA3 R015、 1.5mで現時点ではAmazonで33,809円で購入出来ます。
とにかく透明感と音の質感の確かさは抜群。
AIM NA1も良かったのですが、より低域への ワイドレンジ感と透明感がupして見事です。

BELDEN 1874A CAT6 LAN cable


そしてもう一つがPRO CABLEのWebで安くて良いLANケーブルはないかと探していたら、ありました。 BELDEN 1874Aのカテゴリー6のLANケーブル。1.5mモノで3,800円ですが、なかなかどうして、透明感や分解能では AIM SHIELDIO NA3には及びませんが、弾力のある、 弾む音が見事で、生き生きと音楽を再現してくれます。現在、テスト用にはこれを使用しています。

AIM SHIELDIO USB cable


さらに今回の一番の収穫が、一番上のスピーカーも映っている写真で、左の方へ伸びている黒いUSBケーブルが、 AIM SHIELDIO USBシリーズです。
WATTGATEプラグ+A2D SOLUTINS シールド電源ケーブルBELDEN8423と共に、今回のテストの中での3大収穫と言っても 良いかと思います。
ちなみにBELDEN8423はバランスタイプだけですから 一般的ではありませんが、いずれも比較的安い値段で、数倍するケーブルに負けない音質と魅力を備えた製品かと思います。
AIM SHIELDIO USBシリーズのケーブルを見つける きっかけとなったのが、 HiVi(ハイヴィ) 2013年 1月号 の特別付録 HiVi特製 20cm AIM SHELDIO UAC USBケーブルというのがありまして、拙宅ではAIMのLAN ケーブルを使っていて好印象だったので、USBケーブルで出ているのなら、取り寄せてみようと思って、購入した次第です。
まぁ、格安というほどではないですが、Webでは AIM SHIELDIO USBシリーズを見ると、1.5mで13,650円、3mは19,950円と、リーズナブルな価格かと思います。

WIREWORLD PLATINUM STARLIGHT USB


すでに6月17日分のトップの写真に登場しているのが、WIREWORLD PLATINUM STARLIGHT USBです。
とにかく、エネルギー感と音の密度が凄いです。
/A 従って、ジャズ等に向いているのですが、クラシック音楽では透明感のある、 AIM SHIELDIO USBシリーズに一歩譲ります。
お値段は、USBケーブルとしては目が飛び出かねないほど。1mモノだと、標準価格が75,600円。5mのロングタイプは176,400円!
本当は3mモノが欲しかったのですが、126,000円で買値でも100,800円(joshinweb.jp)と手が出ませんで、仕方なく、2mモノを購入して お茶を濁しました。それでも80,640円!
あまり一般的ではありません。その下位モデルに「SILVER STARLIGHT」というのがあって、2mモノが買値で35,280円。でも、 音的にはこの、PLATINUM STARLIGHT USBにはちょっとほど遠く、あのエネルギー感が見られず、それくらいなら、 AIM SHIELDIO USBシリーズの方が良いかと思ったほどです。


Last update Jul.26.2013