■ TANNOY Reveal 601p v.s. 601aシステム ■
 
 
                                                                     
実は、オーディオのトップページにすでに写真が出ていたのですが、Reveal 601aとReveal 601p、最終的に
1システムを残すとしたら、どちらを採るか、今回はケーブルの値段抜きで、現在の手持ちの機器を最大限
活用してのバトルと相成りました。 
 
ソースとしては必然的に601aはLINN Renew DSを、601pはPCの音源を使用することになり、勝負は見えている、
と思われましたが、ティアックのUSB/ネットワーク対応プリメインアンプNP-H750、
けっこう、頑張ってくれました。 
少なくとも、中高域の音の出方、スピード感は601aのスピーカー内蔵アンプよりも好ましく、ジャズやポピュラー系には
601pに軍配が上がるように思います。 
一方、クラシック音楽に関しては、低域の伸びが601aの方が見事で、スピーカーの電源ケーブルには、
WATTGATEプラグ+A2D SOLUTINSシールド電源ケーブルを
使用すると低域のモッコリ感がEvidence ACよりも少なく、高域の線の細さ、解像度ではさすがにEvidence ACには及びませんが、
無理していないというか、バランスが良いのです。 
 
プロ機器同士、というか、値段が似通っているというか、Evidence ACではスピーカーの能力を超えてスピーカーに無理をさせ、
バランスを崩しているように思います。 
もっともこれは、安いモノ同士の方が気楽に使える、些細なことに目くじらを立てて気にしないで済む、
という心理的要因が働いている可能性も否定できません。 
実際、Evidence ACだと、「もうちょっと分解能が高いはずだが」とか、「ローエンド、もっと伸びないかな」等々、
スピーカーの制約を超えたレベルを求めてしまっている気がします。 
実際問題として、Reveal 601aの価格を考えると、開発に際してEvidence ACのレベルの電源ケーブルを用いてテストを行ったとは
とても思えず、普通にあるオーソドックスな、パソコンを買うと付いてくる程度の一般的な電源ケーブルで音決めを
行っていると思われるからです。 
 
面白いことに、LINN Renew DSの電源ケーブルにはEvidence ACの分解能がないと色彩感が乏しくなり、シンバルの音数が減って
しまって楽しくないので、LINN Renew DSにはEvidence ACの選択となり、これだけでも601a側にかなりのアドバンテージが
あるように思います。 
 
そしてLINN Renew DSから601aまでのラインケーブルですが、BELDEN8423
がかなり健闘していて、AET Evidence LINE XLRの分解能、ローエンドの伸びには
及ばないものの、生き生きとして再生するその音は、ジャズ、ポピュラー音楽向きで、クラシック音楽用にシステムを振りたければ、
解像度が高くて空間描写能に優れ、ローエンドも良く伸びるAET Evidence LINE XLR
の方が向いているのかも知れません。 
 
後でも述べますが、これは電源コンセントにも言えることで、Evidende ACのうようなハイエンドの電源ケーブル、拙宅のDD66000のような
ハイエンドシステムにはWATTGATE model381電源コンセント。 
廉価なプロ用システムには、旧来型のHUBBELL HBL5362I電源コンセントの方が
相性が良いんですね。
 
さて、ここまではReveal 601aについてでしたが、以下、601pについて書いてみます。 
現時点では、ティアックのUSB/ネットワーク対応プリメインアンプNP-H750、
を使用してのテストと相成ります。 
電源ケーブルはEvidence ACをWATTGATE model381に差し込んで使用すると、
さすがに高分解能でワイドレンジ、モッコリ感も少なく、見事です。 
スピーカーケーブルもAET SIN SP WBT0610Cu-WBT0681Cuを使用すると、601aシステムでは聴くことができない、高域の
つややかさ、みずみずしさに加えて、引き締まったローエンドを聴くことが出来て、別の意味で601の魅力が引き出せたと思います。 
しかし、電源ケーブルだけで601pとティアックのUSB/ネットワーク対応プリメインアンプ
NP-H750の金額を遙かにオーバーしてしまうので、電源ケーブルは
WATTGATEプラグ+A2D SOLUTINSシールド電源ケーブルを使用し、スピーカーケーブルも出来るだけ安上がりになる方法を考えてみました。
もちろん、明らかに音がスポイルされる選択肢は却下です。 
 
AET SIN SP WBT0610Cu-WBT0681Cuの系譜に連なる、AET HHL EVDで端末処理を行い、アンプ側には「WBT0645Cu」のバナナプラグを使用。
スピーカー側には、5.5Gまで対応できるYラグを探した結果、ついに見つけました。
逸品館が独自に出している
 
AIRBOW Yラグ F5.5/6/CR(20個入)が20個入りで4000円と非常に安くて、直付けに較べて少し音が落ち着き、整理された感じになりますが、
スピーカーケーブルの音のベクトル、性格を変えず、繊細さも併せ持った良いYラグです。 
ケーブルの受け口がF3.5程度なら、一般のホームセンターでも手に入れられるシロモノです。 
 
 
WBT-0661Cuも確かに音は良いのですが、いかんせん、4個で12,000円ほどの購入価格。 
もっと安くてそれなりの音が享受できるYラグはないか探していたら、一番、基本的なYラグが音的にも、たとえば銀を使用したWBT-0661Ag
のような超高域への伸びや線の細さは感じさせなくて、音の一つ一つを解きほぐす感じで聴かせてくれます。 
これを「伸びが足りない」「繊細さが足りない」と感じる方々もいらっしゃるかと思います。 
しかし伸びれば良い、線が細くて細やかだったら良いわけでもなく、音の質感を損なわず、キッチリ描き出してくれるものが
個人的には好みです。
 
 
 AET Evidence LINE XLR 1.2m  
 
中高域が瑞々しく、透明感があり、ローエンドも良く伸びています。空間が良く出るのも特徴です。 
低域も重量感のあるものは重量感があるように、軽くそよぐ感じの時にはそういう風に、と表情が豊かです。 
その特性を活かして、クラシック音楽向けシステムには本当によく合います。 
LINNのDSとの相性も抜群かと思います。
 
 
 BELDEN8423 silverXLR  
 
たまたまPRO CABLEのWeb pageでレファレンスのように書かれてある、
BELDEN8412をさらに下方へスクロールしていって
見つけた、3芯タイプの BELDEN8423 。バランス専用で、
RCAの制作が出来ないのが残念ですが、今回のケーブル選びで
WATTGATEプラグ+A2D SOLUTINSシールド電源ケーブルとともに、目から鱗の、廉価システムの救世主とも言うべきケーブルです。
 
プラグはノイトリックで、シルバータイプとゴールドタイプがありますが、個人的には少し華かなシルバータイプの方が
好みです。クラシック音楽にはより堅実でカッチリ、ローエンドも比較的良く伸びるゴールドタイプの方が良いかも知れません。
 
 
 WATTGATE plug+A2D SOLUTINS AC cable  
  
WATTGATEプラグ+A2D SOLUTINSシールド電源ケーブルを
差し込む電源コンセントにも相性があるようです。 
 
 
電源コンセントをHUBBELL HBL5362Iにすると、高域が華かで
ローエンドも良く伸びます。言い換えると、少々聞こえは悪いですが「ドンシャリ」的な音です。低域が膨らむので、Evidence AC
だとモッコリ系の音になりますが、不思議と
WATTGATEプラグ+A2D SOLUTINSシールド電源ケーブルでは、ツボにはまったようなバランスの良さです。 
 
 
試しに差し込むコンセントをWATTGATE model381にすると、
高域の華かさが消えて、レンジが狭くなって、代わりに落ち着いた音になります。 
よくよく聴きこんでみると、透明感が増していて、みずみずしい音です。 
しかし高域のシンバルの音が沈んで線が細くなってしまって、聴いていて面白くない音です。 
これがEvidence ACだと、抜群の透明感と解像度に加え、元々Evidence ACの方がレンジが伸びているので、
それほど音が痩せたようにならずに、むしろ低域のモッコリ感がしないでキッチリ引き締まり、DD66000のジャズ用
システムにはうってつけのサウンドとなるようです。 
最近の拙宅のシステムは、このWATTGATE model381で電源コンセントを
固めているので、ひょっとしたら、拙宅でEvidence ACを使って今まで低域がモッコリならずに済んでいたのは、
WATTGATE model381の電源コンセントのお陰だったのかも知れません。 
それが証拠に、Evidence ACをHUBBELL HBL5362Iに差し込むとモッコリした
音になり、WATTGATE model381ではモッコリ感はほとんどなく、
引き締まっていながらワイドレンジです。 
となると、廉価版システムのために造設した4個口分の電源コンセントがHUBBELL HBL5362I
だったため、Evidence ACの本領が発揮できなかったのかも知れません。 
 
ただ、WATTGATE model381は現在、国内での入手が困難で、
価格を考えると、廉価版システムにはHUBBELL HBL5362Iの方が
適していると思われます。 
そういうわけで、今後は電源コンセントはHUBBELL HBL5362Iで、
電源ケーブルはWATTGATEプラグ+A2D SOLUTINSシールド電源ケーブル
を基準に考えることにするようにします。 
 
それにしても本当に不思議というか、面白いというか、電源コンセントにおいても、ハイエンドのシステムにはハイエンドの
WATTGATE model381電源コンセント。 
廉価なプロ用システムには、旧来型のHUBBELL HBL5362Iの方が相性が
良いんですね。 
 
 
 AET HHL EVD WBT0645Cu-AIRBOW Yラグ F5.5 直径6mm  
 
 
逸品館のAIRBOW Yラグ F5.5/6/CRを付けたこのケーブル、
 
WBT-0661Cuも確かに音は良かったのですが、いかんせん、4個で12,000円ほどの購入価格。 
さらに高価な銀のWBT-0661Agの、超高域まで伸びて繊細な感じも捨てがたいのですが、
AIRBOW Yラグ F5.5/6/CRの、音の一つ一つを解きほぐす感じで、
質感を損なわず、実に堅実でキッチリ描き出してくれるのには、ちょっと驚きでした。 
 
 
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Last update Jul.21.2013 
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