■ KISO HB-X1を華麗に鳴らすアンプ ■


写真の説明です。
下段左:Mark Levinson LNP-2L
ラック下段:SUMO POLARIS(ボンジョルノ)
下段右:JBL6260
ラック中段:LINN Klimax Renew DS & LNP-2L電源
ラック上段:GAS「THAEDRA」(ボンジョルノ)
VIOLA LEGACYの上:SUMO ATHENA(ボンジョルノ)
JBL DD66000の間:200V-->115V & 100Vトランス

今、KISO HB-X1という 小型スピーカーがやってきて、それをどのようにすれば逞しく、大型スピーカー に負けない鳴りっぷりにすることができるか、実験をやっています。

First Watt SIT-1は透明感や空間の広がり、解像度は抜群なのですが、なにせKISO HB-X1は能率が85dB/W/mと とても低く、ボリュームを上げると音が割れてしまいます。
そこで、アンプ探しと相成りました。
新しい製品は価格も高いので、ちょっと前の製品を当たってみることにしました。
うまくすれば、ヤフオクで比較的安価に入手出来るからでもあります。

途中、メインアンプはMcIntoshのMC275やMark Levinson ML-2Lまで登場しましたが、今一歩の感が拭えませんでした。
さらにプリアンプはMark Levinson ML-1LやEAR864Bも登場したものの、今ひとつ。
そこでML-1Lがけっこう浸透力のあるサウンドで良い線行ったので、もっと鳴りっぷりが良いと言われる Mark Levinson LNP-2Lの試聴をしてみることに。

恐らく、メインアンプのJBL6260との相性もあるのでしょうが、これがけっこうイケるのです。
メインアンプのJBL6260は、 元々、JBL4343や4344等のスタジオモニタースピーカーを鳴らすために開発されたアンプで、 ラックマウント形式のスタイルですが、コンシューマー用のアンプ顔負けのS/N、音質で、 大口径スピーカーを存分に鳴らしきるアンプだけあって、 KISO HB-X1のエンクロージャーを 見事に響かせて鳴らします。

それにしても、Mark Levinson LNP-2Lの鳴りっぷりの良いこと。
しかもかなり透明感もありながら、浸透力のある芯のあるサウンドが私好み。

そして本日、James Bongiorno(ボンジョルノ)の手によるGAS社時代の名作、THAEDRAを試聴する機会を得ました。
ボンジョルノは、DYNACO、SAE、GAS、SUMO、アンプジラなど、数々の銘機を創り出していて、オーディオ界では「Mark Levinson」や、
1980年に"KRELL/クレル”を創業し、現在は自分の名前を冠したDan D'Agostino社を興した「Dan D'Agostino」、
スレッショルドで腕を磨き、1991年にPASS Laboratoriesを設立。1999年にはガレージメーカーより 規模の小さな、キッチンテーブルと言われたFIRST WATTを設立した「Nelson Pass」らと並び称されるほどのエンジニアです。
GAS社時代の銘機THAEDRAは、Mark LevinsonのMark Levinson LNP-2L とよく比較されますが、LNP-2LはML-1以降のレビンソンが製作にかかわった製品の中でも最も野太く、それでほど神経質な鳴り方はしません。

しかし、THAEDRAの弾けるような開放感、そしてドスの利いた量感のある低域を耳にしてしまった後では、 Mark Levinson LNP-2Lは、独特の緊張感で音作りをしている感じを受けてしまいます。
背面がまた面白く、縦にプラグを差すので、ケーブルが自重で抜け落ちることがありません。

GAS社を辞めた後、今度は新たに「SUMO」社を設立します。
そのSUMOアンプは「フル・ディファレンシャル フル・コンプリメンタリ」と呼ばれるバランス・ブリッジ構想による設計が特徴です。

SUMO POLARISは最終的にはPOLARIS IIまでバージョンがあり、電源ケーブルの交換が出来るように なっていたり、ヒューズが4本になっていたりします。

背面はこんな感じで、POLARIS IIよりはスピーカーターミナルの間隔が広く、作業もしやすいようです。
それでもSUMOのアンプは、アンプジラもそうですが、比較的コンパクトな分、スピーカーターミナルや入力ターミナル等の密集度も かなりになるため、間隔が狭く、Dan D'Agostinoの製品もそうですが、Yラグだと濾出部分が隣と接触してしまいそうで、かつての McIntosh MC275はスピーカーターミナルが小さくて作業しにくかったのですが、ボンジョルノのアンプはターミナルはそこそこ 大きく、現代の大型Yラグが使える分、慎重さが必要になってきます。
あるいは、Yラグではなく、真上から差し込むバナナプラグの使用が前提で、Yラグのことはあまり考えていないのでしょうか?
SUMO ATHENAと組み合わせると、THAEDRA の時のような華麗でゴージャス、凄みのある低域が姿を潜め、贅肉の無い引き締まった筋肉美のちょっと暑苦しい男どもが、腕力に任せて ブンブン振り回しているような感じがあります。
そういう意味では、確かに相撲、角力のネーミングはピッタリかもしれません。
美少女好みの私としては、もう少ししなやかさがあっても良い気がします。


Last update Sep.21.2015