■ 温泉の話 ■


 かつて山梨在住時、近場の温泉を40軒以上回ってその成果をホームページ 「
山梨の温泉のご紹介」 にしてしまったくらい温泉好きな私ですが、実は九州にもお気に入りの温泉があります。
 それは湯布院です。
 毎年7月最後の週の木曜日から日曜日まで開催される「ミュージック・フェスティ バル」や、8月最後の週の水曜日から日曜日まで行われる「湯布院映画祭」等、け っこう自分好みのイベントが多く、しかも車を飛ばせば2時間半程度(実際は2時間 くらいで着いているようですが)で行くことの出来る、ちょっと軽井沢を思わせる素敵 な街並。最近台頭してきた黒川温泉とは趣を異にし、温泉だけでなく、町自体を楽 しむことが出来る温泉街は、なかなか他に類をみません。

 湯布院は昭和30年、由布院町と湯平村が合併して誕生した町です。お湯は弱 アルカリ単純泉が主で、刺激が少なく優しいお湯のため、腰痛や神経痛のほか、疲 労回復、術後保養などに良いとされています。
 当時は別府に押され、単なる山間のひなびた温泉地だったこの地を「町興し」し た中心人物が、「亀の井別荘」(湯布院町大字川上2633-1 TEL:0977-84-3166  宿泊料金1名一泊二食付31,500円〜 2名より)社長の中谷健太郎氏と、従兄弟 で「玉の湯」(湯布院町湯の坪  TEL:0977-84-2158 FAX:0977-85-4179 34,650円〜 露天風呂あり E-mailinfo@tamanoyu.co.jp) 社長の溝口薫平氏でした。

 中谷健太郎氏はかつて映画監督だったこともあり、映画 祭の企画に一役買ったわけですが、その映画祭も今年で31回目となります。中谷 氏との関係もあって湯布院は映画俳優に人気があり、俳優の山崎努がよく亀の井 別荘に泊まっていたとか。
 ここは散策に良い金麟湖のすぐ傍にある由布院でも老舗 中の老舗で、1万坪もの広大な敷地の中に離れや談話室、大浴場などが建ち、敷 地の中には「鍵屋」と呼ばれるお土産屋や食事処の「湯の岳庵」、喫茶「天井棧敷」 など、湯布院でも人気のお店があります。それでいて、宿泊客専用の萱葺きで造ら れた門をくぐると人気も無く、閑静な別世界が広がるのですから、なんとも不思議な 宿です。

 湯布院の温泉宿御三家はと言うと、上記の「亀の井別荘」「玉の湯」と、最近とて も評判が良い、「山荘 無量塔(むらた)」( 湯布院町川上1264-2 TEL:0977-94-5000 予約は電話のみ42,000円〜)でしょうか。部屋 は8室しかありませんが、創作山菜料理の「茶寮 柴(さい)扉(ひ)洞(どう)」と、オーディオマニア垂 涎のアメリカ・ウェスタン・エレクトリック社製スピーカーが鎮座する「Tan's(たんず) bar」が併 設され、まるで別世界です。
 確かにこれらのお宿は素晴らしいのですが、その宿泊料金も唸らせてくれるもの があります。湯布院の宿は基本的に宿泊は2名以上なので、無量塔のそれなりに良 い部屋に泊まると、軽く2人で10万円は超えてしまいます。ましてや2泊以上となる と、まだ山のように借金を抱えている私には、なかなか気安く利用出来るものではあ りません。

 そこで私が探し出したのが、「山荘わらび野」  (湯布院町川北952 TEL:0977-85-2100 FAX:0977-85-3618 23,250円〜 E-mail:warabino@qs-net.com  露天風呂あり)です。
 敷地は1,000坪とやや小振りですが、10室全て露天風呂付きの離れ数寄屋風木 造となっていて風情もあり、特に秋は紅葉が見事です。交通手段としては湯布院イ ンターに近く、車で行くにはとても便利です。近くには「あーでん」 (TEL:0977-85-2530 定休日火曜日&第3水曜日 営業時間10:00〜17:00)というクラシックはタンノイの スピーカーRHRで、ジャズはJBLのパラゴンで聴かせてくれる音楽喫茶もあり、音楽ファンにはうってつけ です。しかし駅からはかなり離れているので、催し物目当ての時には、街中に駐車 場が少ないこともあり、ちょっと不便に感じるかも知れません。
 催し物中心の時には、露天風呂や部屋風呂は無くて宿内に一カ所、岩風呂があ るだけですが、比較的安くて金鱗湖にも近い「あゆ家」 (湯布院町大字川上1551-8 TEL: 0977-85-3508 FAX: 0977-85-3543 14,700円〜 水曜定休日 E-mail:etou@yufuinayuya.com) がお奨めです。ここは豊後牛や地鶏、川魚に季節の山菜料理、中でも鮎の甘露煮 が美味です。また、インターネット予約割引やグループ割引コースなどがあり、湯布 院の中にあって、比較的安く泊まることが出来るのも魅力です。

 他に値段の安い宿もありますが、なかなか全部行って見て来るわけにもいかず、 これ以上の情報を提供出来ないのが残念です。湯布院の宿を探すなら、由布院駅 前の湯布院温泉観光協会( TEL:0977-85-4464 FAX:0977-85-4465 E-mail: nfo@yufuin.gr.jp )で予算等、 希望に合った宿を紹介してくれますので、まず最初、ここにお訊きになってみると良いでしょう。

 それにしても、「宿泊は2名様以上から」と言うのは独身の私にはネックで、友人達 が遠方からやって来たのを良いことに、湯布院までご案内して、ちゃっかり晩ご飯を 一緒にいただいて、お風呂に入って夜は自宅に戻るとか、友人が一人だけの場合 は、私も一緒に泊まってこっそり持ち込んだ日本酒を二人で夜通し飲んだこともあり ました。が、男二人で泊まるには、どうも風情がありすぎていけません。
 そこでせめて自宅で温泉気分を、と言うことで、最近は入浴剤をいろいろ試してい ます。
 職業柄、毎日キーボードを叩いているので、夕方近くになるとさすがに肩が凝ってきます。
 そこでお風呂の際には入浴剤の登場となるわけですが、肩凝りには「重曹芒硝湯」の系統が良く、 内容はナトリウム、硫酸塩、炭酸水素塩等です。
 ツムラの入浴剤で言うと、十和田がこれにあたり、乳緑色の綺麗な色合いで、お気に入りの一つです。
 しかし時に手足が温まり過ぎ、足が火照って眠れないこともあります。そこで少し十和田の量を少なめにして、 代わりにハーブ系の入浴剤を加えるようにしています。
 ツムラからは「バスハーブ」というのが出ていて、比較的入手しやすいのですが、 祐徳薬品工業株式会社から発売されている「アビアントK」の柚子の爽やかさが気 に入って、最近ではこちらをよく使っています。ハーブを加えると、体がリラックスす るらしく、足が少し火照り気味でもグッスリ眠れるようです。
 もっとも、こんなものに頼らず、早く本物の温泉を堪能出来るように、仕事がも う少し繁盛するよう頑張って、一緒に温泉に行ってくれるお相手(女性限定!)を探 す方が先決かも知れません。
初出 2005.5
Last update Jan.4.2007

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