■ Marantz model 7 ■

Marantz Stereo Console Model 7は、現在でも最も人気の高いプリアンプの一つです。
真空管12AX7はすべてテレフンケン製を指定しているだけあって、ちゃんとテレフンケン を使用すると、切れ味と言い、音の形と言い、現代の最新鋭アンプにもそうそうひけを取ら ない実力を持っています。
中古市場で探すと、けっこう見つかるのですが、内部のコンデンサー等、いろいろ交換され ていて、オリジナルのままのものはほとんどありません。もっとも、コンデンサーの寿命を 考えると、たまに通電するくらいで新品同様に保管されていたとしても、もう、駄目でしょ うけど……。
ところで、オリジナルといってもMarantz model 7は10001〜23000番台まで存在して、 音がある時期から著しく変わるようです。
大きく分ければ17000番台前後からトランジスタ時代を意識したのか、少し線が細くなって いる様に聴こえます。
回路的な違いはないのですが、パーツが一部違っていて、ボリュームが日本のコスモスに換 わっています。また、ボリュームの変更に伴う、安定性を考慮してか、コンデンサーが2、3 追加されている様で、これが音が違ってくる最大の原因ではないかと思っています。

レストアする時に一番気を付けないといけないのは、コンデンサーの容量抜けによる経年変化 です。
ヴィタQの愛称のスプラーグ社のVTAに絶縁材を巻いて使用したり、アメリカASC社の最 高級フィルムコンデンサーを使用する人もいます。が、レプリカ#7がフィルムコンデンサー を多用して音が悪い(私は電源に主因があると思っていますが)のは、あまり質の良いフィル ムコンデンサーを使っていないせいだ、とおっしゃる方もいます。
個人的にはみずみずしい色気のある#1の方が好きで、ちょっと我が家では出番がないようです。
「Marantz社 & Saul B.Marantz氏」について詳しくお知りになりたい場合は、Marantzをご覧下さい。

また、使用真空管についてですが、V1とV2はフォノ部のヘッドアンプ部で、チャンネルを別々に 受け持っていますので、必ずペアで同じメーカーで特製の合ったものを刺して下さい。
出来ればノイズの少ないものを選んで下さい。
V3は一本でLとRを受け持つ、フォノ出力部です。これはメーカーは問いません。
V4以下はラインアンプ部で、V4,V5はチャンネルを別々に受け持っていますから、やはりペアで メーカーも同じものにする方が良いと思います。
V6はラインアンプ部出力で、一本でLとRを受け持っています。
けっこう熱くなりますので、ご注意下さい。

画像をクリックすると、大きく見ることが出来ます。



全体像です。
ウッドケースはオプションです。
でも、たいていの方が付けています。

フロントパネルの様子です。


背面です。


ウッドケースを外した所です。


ウッドケースを外した背面です。


天盤を外した全体像です。


RCAターミナル群。


電源トランスと出力ゲインコントロールボリューム。


電源部。


右上にパイロットランプが見えます。
左側は上が高域用、下が低域用のコントロールです。


上がボリューム、下がバランス・コントロール。
右上に見えるのが、入力セレクターです。右下はSTEREOの左右反転などの切り替えスイッチです。


メインボード上面像。コンデンサー群は上面にまとめられています。


下蓋を開けたところ。全体像です。


電源部の下側です。緑色したセレン整流器が右側に見えます。


メインボード下面像。主だった抵抗器は下面にセットされています。


Last update Sep.3.2001