Marantz Stereo Console Model 7は、現在でも最も人気の高いプリアンプの一つです。 真空管12AX7はすべてテレフンケン製を指定しているだけあって、ちゃんとテレフンケン を使用すると、切れ味と言い、音の形と言い、現代の最新鋭アンプにもそうそうひけを取ら ない実力を持っています。 中古市場で探すと、けっこう見つかるのですが、内部のコンデンサー等、いろいろ交換され ていて、オリジナルのままのものはほとんどありません。もっとも、コンデンサーの寿命を 考えると、たまに通電するくらいで新品同様に保管されていたとしても、もう、駄目でしょ うけど……。 ところで、オリジナルといってもMarantz model 7は10001〜23000番台まで存在して、 音がある時期から著しく変わるようです。 大きく分ければ17000番台前後からトランジスタ時代を意識したのか、少し線が細くなって いる様に聴こえます。 回路的な違いはないのですが、パーツが一部違っていて、ボリュームが日本のコスモスに換 わっています。また、ボリュームの変更に伴う、安定性を考慮してか、コンデンサーが2、3 追加されている様で、これが音が違ってくる最大の原因ではないかと思っています。 レストアする時に一番気を付けないといけないのは、コンデンサーの容量抜けによる経年変化 です。 ヴィタQの愛称のスプラーグ社のVTAに絶縁材を巻いて使用したり、アメリカASC社の最 高級フィルムコンデンサーを使用する人もいます。が、レプリカ#7がフィルムコンデンサー を多用して音が悪い(私は電源に主因があると思っていますが)のは、あまり質の良いフィル ムコンデンサーを使っていないせいだ、とおっしゃる方もいます。 個人的にはみずみずしい色気のある#1の方が好きで、ちょっと我が家では出番がないようです。 「Marantz社 & Saul B.Marantz氏」について詳しくお知りになりたい場合は、Marantzをご覧下さい。 また、使用真空管についてですが、V1とV2はフォノ部のヘッドアンプ部で、チャンネルを別々に 受け持っていますので、必ずペアで同じメーカーで特製の合ったものを刺して下さい。 出来ればノイズの少ないものを選んで下さい。 V3は一本でLとRを受け持つ、フォノ出力部です。これはメーカーは問いません。 V4以下はラインアンプ部で、V4,V5はチャンネルを別々に受け持っていますから、やはりペアで メーカーも同じものにする方が良いと思います。 V6はラインアンプ部出力で、一本でLとRを受け持っています。 けっこう熱くなりますので、ご注意下さい。 画像をクリックすると、大きく見ることが出来ます。 |